北京、旅行会社に奨励金を設定−宣伝奨励費用として200万元を投入

  • 2008年11月10日
 北京市観光局は今後、日本の旅行会社に向けて200万元の宣伝奨励費用を投入、北京観光のプロモーションとともに、宣伝費用の授与や送客報奨金を提供し、オリンピック後の日本人観光客の需要回復をはかる。先ごろ開催した北京観光説明会で発表した。

 これは、日本市場向けに設定した7項目の誘客施策のうちの1つ。宣伝奨励費用200万元(約2857万円)は、北京旅行のための宣伝費用と送客報奨金の付与、複数回にわたる100名規模の旅行会社向け研修旅行の実施に使用する。このうち、報奨金に関しては今年の11月10日から来年3月31日までを適用期間とし、送客数が3000名以上の場合は10万元(約143万円)、5000名以上の場合は20万元(約286万円)、1万名以上は45万元(約643万円)を提供する。

 このほかの施策は、(2)旅行会社に対する北京の宣伝ポスターの無料提供、(3)「北京消費案内パスポート」、観光客向けショッピング割引券などの無料提供、(4)日本からの北京市政府および同局の高級観光顧問への招聘、(5)北京観光業へ大きな貢献をした観光企業への特別貢献賞の授与、(6)連続10年で北京に修学旅行をした学校への感謝状の進呈、(7)修学旅行視察を目的とする学校や父兄会の招待。そのほか北京の商業部門と協力し、観光とセットにしたプロモーションを展開する計画もあり、北京への渡航需要回復に向けて大々的に活動していく方針だ。


▽オリンピック後の新しい北京をアピール

 今回は北京市人民政府副市長の丁向陽氏を団長に、総勢60名の観光代表団が来日。北京市観光局局長の張慧光氏は「今後の主力となる客層を北京オリンピックで獲得した」とオリンピックの効果を述べ、「過ごしやすく美しい国際都市であり、多くの日本人に訪れて欲しい」と、新しい北京を強調した。セミナーでは新しいランドマークとして、国家大劇場、「鳥の巣」の通称を持つ北京国家体育場、中央放送テレビタワー、798芸術区を提案。また、北京では旅行者向けのサービスや商品開発を強化していることを明かし、北京を拠点に内モンゴルや河北、山西省といった各地へのツアーなどを紹介した。さらに、オリンピック開催にともなう交通網の整備にも触れ、1時間124機の離着陸が可能な北京首都空港の第3ターミナルや新たに8本開通した地下鉄、所要時間30分で北京/天津間を結ぶ北京天津高速列車を紹介し、利便性が向上した交通機関をアピールした。

 中国国家観光局(東京)首席代表の范巨霊氏は、オリンピック後の渡航者数減少に触れつつも、「近い将来回復が望まれる。現状は乗り越えられる」と前向きな考えを述べ、「中国観光市場の回復は日本から」と、日本に対する期待の大きさを語った。