Marriott Bonvoy

ニュー・サウス・ウェールズ、ブルーマウンテンの新ルート提案、奥深さ重要

  • 2008年10月30日
 ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州政府観光局局長の寺本彬氏は、旅行会社のニーズに応えるには観光素材の「深さ」が必要との認識だ。例えば、世界遺産のブルーマウンテンへの訪問でも、旅行会社からは「ただ行くだけではなく、もっと何かないのか」と聞かれることが多いといい、「商品の広がりが求められていることは間違いない」という。このほど現地からブルーマウンテン地区のサプライヤー2名が来日し、ブルーマウンテンの新たなルートを提案したところ好評を得られており、NSW州政観としても「今後もっと伸ばしていかなければならない」と語った。

 来日したサプライヤーは、シーニック・ワールド・アジア・マーケティング・コンサルタントの松本吉正氏と、フェザーデール・ワイルドライフ・パーク・セールス・マーケティング担当ディレクターのニック・マーニー氏。2氏によると、ブルーマウンテンを訪問する前に、フェザーデール・ワイルドライフ・パークに立ち寄るパターンが定着しているという。松本氏は今回、シドニーからスリー・シスターズを眺められるカトゥンバまでのルートを、一般的なグレート・ウェスタン・ハイウェイではなく、北部の「ベルズ・ライン」経由を提案。途中、一億年前から生き延びているというウォーレマイ・パインを自然に近い形で見学できるマウント・トマー植物園などを訪れられるほか、少し足を延ばすと世界最古の鍾乳洞「ジェノラン・ケーブス」も訪問可能だ。グレート・ウェスタン・ハイウェイと比較して、果樹園や原生林、広大な草原、牧場地帯など、景観の多様な変化が楽しめるという。

 グレート・ウェスタン・ハイウェイと比較して、ベルズ・ラインのルートは、果樹園や原生林、広大な草原、牧場地帯など、景観が多様なうえ、交通量が少なく、のんびりと景色が楽しめる。こうした点から、今回のセールスコールでは旅行会社側からの興味が強く「シドニーからの日帰りをやめて、ブルーマウンテンで1泊すれば、新しいコースが可能になる」と、提案に肯定的な話が出ていたという。松本氏によるとこれまでのところ、シドニーからブルーマウンテンへのツアーを実施する現地の会社がベルズ・ラインを使用したツアーを用意していないため、パッケージ化が難しかったが、現地のツアー会社も現在は前向きで、帰国後に商品化に向けた話し合いの機会を持つ予定だ。