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JTB・ニュージーランド政観・NZ、共同で環境配慮型ツアー−需要創出めざす

  • 2008年10月17日
 ジェイティービーとニュージーランド政府観光局、ニュージーランド航空(NZ)は、共同で環境に配慮したツアーを開発した。これは、ニュージーランドの観光業界の品質認定の規格を満たした観光施設などを認定する「クォールマーク」と、さらに環境負荷の削減の基準を厳しくした「クォールマーク・グリーン」を取得した施設を利用するもの。クォールマーク認定施設に限ったツアーは世界初。駐日ニュージーランド大使のイアン・ケネディ氏は、同制度を「クリーンかつグリーンな環境を、国民と旅行者だけでなくこれからの世代のために保全するためのもの」と説明。今年8月に始まったばかりで、500項目もの品質基準に加えてエネルギー効率や節水管理、廃棄物管理、環境保全、地域社会への貢献などを評価の対象としている。

 共同企画第1弾では、JTBロイヤルロード銀座の「旅彩彩」と、JTBグランドツアー&サービスの「グランドツアー」で、クォールマークの認定施設を利用するほか、NZ便で排出する二酸化炭素を相殺(カーボンオフセット)し、ツアー代金からNZの植林事業への投資もおこなう。また、ルックJTBでも、10月31日に発売する価格訴求型商品「早春とっておきオーストラリア・ニュージーランド」のパンフレットで、認定施設にマークを示し消費者に紹介する。

 今回の共同開発商品についてJTB代表取締役社長の田川博己氏は、「ニュージーランドは環境保全に国を挙げて取り組んでいる。『環境』は今の時代にあったキーワードであり、こうした取り組みを体験型旅行のテーマとして取り上げることは新たな需要創出の可能性もあって、旅行会社の本来の役目」と説明。市場規模は大きくないとの見方で、第1弾の商品である旅彩彩とグランドツアー合計の目標は80名と控えめであるものの、「ルックJTBに組み込むことで、徐々に浸透していくのではないか」とみる。田川氏は、旅彩彩とグランドツアーの高単価な商品から徐々に展開し、市場規模に応じてルックJTBやメディア商品などに拡大できることは、「分社化後のJTBの強み」と自信を示した。