スカンジナビア政観、フィヨルド旅行の滞在日数が増加−プロモDVDを制作

  • 2008年10月9日
 スカンジナビア政府観光局(STB)は先ごろ、旅行業界向けのセミナーを開催、マーケティング部部長の宮本拓氏が現在の日本市場の動向と今後の方針を語った。現在、STBでは「まずは消費者の認知を高め、お客様を旅行会社へ」という目的でメディア露出を増加させており、2009年も一般の消費者に対する認知向上をはかる方針。今までの展開により、スカンジナビア3国のデンマーク、ノルウェー、スウェーデンについて、「国のイメージ訴求はできた」との認識で、「今後は具体的なデスティネーションを見せていく」考えだ。

 特にフィヨルドを含む旅行について、今年の夏はフィヨルド地区での滞在日数が4泊以上のツアーが全体の50%と、前年に比べてシェアがほぼ倍増。全行程の旅行日数が11日以上という旅行が全体の約半数とシェアを高めているという。また、フィヨルド地区の3ツ星、4ツ星クラスのホテルでのアンケートによると、滞在客の約6割が旅行予算として約50万円以上を支払っており、60歳以上のセグメントが今年の6月から8月の場合、全体の73%を占めていることを明かし、収益性の高い市場であることを示唆。今後のさらなる商品造成と販売を促した。STBでは従来の「デンマークに行こう」などの国をアピールする内容に加え、今回は「フィヨルドに行こう」というプロモーションDVDを制作。一般対象者に加え、旅行業界にも勉強素材としての活用を勧めていく。

 なお、STBによると7月の日本人旅行者の数は、デンマークが前年比0.8%増、ノルウェーが1.8%増、スウェーデンが3.8%増で、合計1.6%増。8月はヨーロッパ全体が鈍調で渡航者数が落ち込んだが、全体の状況に比べると堅調に推移していると評価する。今後は主要ターゲットを熟年層としつつ、「そろそろ自分も楽しみたいという40歳以上の既婚女性が増えている」という新市場も視野に入れ、プロモーションを強化していく。


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