台湾観光協会は9月18日、120の現地サプライヤーが参加した台湾観光セミナーを開催。台湾観光協会東京事務所所長の江明清氏は、「1月から7月までの日本人訪問者数は前年と比べて2万8000人ほど減少している」と厳しい現状を伝え、「セミナーを通じて意見交換し、送客につながるノウハウやアイデアを教えてほしい」と現地サプライヤーおよび日本の旅行業界と協力する姿勢を示した。

　2008年から2009年までは旅行台湾年にあたり、2009年には全世界からの訪問者数425万人をめざす。現地では官民一体となった取り組みが進められており、台湾全土でウェルカムボードやポスターを設置して台湾への歓迎ムードを高め、多言語サービスに対応した観光バスツアーなどの充実を図る。さらに、春はランタンフェスティバル、夏はドラゴンボートを体験するなどの端午節イベント、秋は台湾美食節、冬は温泉グルメ祭など、季節ごとにシーズンテーマイベントを設けて台湾の魅力を伝える。台湾へ初めて訪問する消費者向けには台北と高雄を組み合わせるなど定番の観光スポット、リピーター向けには登山やハイキングなどの体験型の旅行、団塊・シルバー世代には日本統治時代の街並みや温泉などを薦めるという。このほか、台湾芸能の観光プログラムも促進しており、台湾ドラマ「君につづく道」のロケ地などをめぐるスタンプラリーを実施。これは、指定された観光地の中から3か所のスタンプを押して応募すると航空券とホテル宿泊券などが抽選であたるキャンペーンで、今年12月31日まで開催中だ。このほか台湾に入国した外国籍パスポート保持者を対象にしたキャンペーンも引き続き展開しており、入国100万人目に10万新台湾ドル、200万人目に20万新台湾ドル、300万人目に30万新台湾ドル、400万人目に40新台湾ドルを提供する。4月5日に100万人目、7月10日に200万人を達成しているという。

　また、現地では今月から高雄捷運（KMRT）のオレンジラインの試運転が開始、9月末から正式に開通する。これにより東西南北がKMRTで結ばれ、交通アクセスの利便性がさらに向上するという。チャイナエアライン（CI）では、台北／高雄線を10月26日から1日2便に減便。燃油サーチャージ額の高騰や現地でのKMRT需要の高まりなどに要因があるようだ。台湾観光協会では今後もセミナーの開催や新たな観光プロモーションのイメージキャラクター「飛輪海（フェイルンハイ）」を起用した露出展開などで需要喚起に務める。


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