スペシャリスト・インタビュー:PTSトラベルナビ有楽町西武店 安田未沙さん
グアムこそ接客力が重要
ウェディングやリピーターほど、店頭が頼りに
ウェディング会社が多く、デパートや宝飾店の多い銀座・有楽町界隈にある旅行会社では、ウェディングやハネムーンを承ることが多い。PTSトラベルナビ有楽町西武店もその1つで、接客には丁寧な説明と知識が求められるといいます。今年が入社5年目、そのほとんどを店頭での販売を担当されていたという安田さんに、お話をうかがいました。
株式会社PTSトラベルナビ
有楽町西武店 安田未沙さん
2007年度(第4回) デスティネーション・スペシャリスト グアム・サイパン認定
Q.DSを取得した理由と感想を教えてください
会社のお知らせでDSがあることを知り、有楽町西武店はウェディングの取扱いが多いので、グアム・サイパンを勉強すれば役立つと思いました。私が研修でグアムを訪れたことがあり、認定条件を満たしていたことも理由の1つです。
実際に受講してみると、思った以上に楽しかった。いつもはパンフレットで勉強したり、現地を見て学ぶことが多いのですが、それだけでは分からなかったことも多かったです。例えば、グアムの歴史文化といっても、タモン地区では見かける機会が少ない印象がありますが、ホテル・ニッコー・グアムやアウトリガー・グアム・リゾートの敷地のなかにラッテ・ストーンがあるなど、意外なところに遺跡などがあることが分かりました。
Q.ウェディングやハネムーナーが多いとのことですが、接客に特徴はありますか
ウェディングの場合、最初の相談から2、3回のコンタクトを経て受注という形が多いですね。まず、大まかに流れを説明し、行き先などの相談をしながら具体的に日時を決めていきます。普通の旅行の相談に加え、挙式や服装などのお話もあるので時間はかかりますが、お客様の記念に残る旅行で、やりがいがあります。
以前、ウェディングのお仕事で、印象的なことがありました。そのカップルも予約は挙式の半年前に終了し、その後も挙式に向けて必要な準備などをメールでやり取りしていましたが、最終旅程表を送った後、双方のご両親から連絡があったのです。
ご両親は海外旅行に慣れておらず、ホテルの近くにコンビニがあるかとか、現地での観光などを相談されたのですが、それを直接私に電話をしたのは、挙式の準備で忙しいカップルに気を遣われたようです。ただ、お二人から私の話は聞いていて電話しやすかったようで、相談を受け、オプションの予約もしました。こういう対応を通して信頼をいただけたようで、帰国後にカップルからもご両親からもお礼の電話をいただいたのがうれしかったです。同時に、旅行を受けるときは代表者の方としかお話しませんが、私は旅行に行く全員と関わっていることを改めて実感させてくれた出来事でした。
Q.販売側の視点から、商品の提案などありますか
例えばウェディングなら、海外旅行が初めてのご両親を同行する場合、観光に連れて行ってあげたいという方が多い。でも、ご本人たち現地到着後から挙式をするまで、打ち合わせがあって忙しいという事情もあります。そこで、島内観光などを慣れていない方でも気軽に参加できるようなプランがあればいいな、と思います。挙式するお二人の負担を除いてあげて、しかも家族全員の満足度が高まるプランが喜ばれると思います。
Q.ウェディング以外で最近のグアム旅行の傾向を教えてください
やはり、燃油サーチャージを気にするお客様が増え、予算重視か逆に質を重視するという両極端になってきています。予算重視のお客様はいかに安くなるかにこだわった旅程、質を重視するお客様はグアムまでビジネスクラスを利用する方もいます。このようなお客様はグアム好きのリピーターが多く、旅行はホテルを中心に決め、以前はホテルやルームカテゴリーの指定でしたが、今では客室の位置を指名する方もいます。
ですから、グアムはパッケージツアーを指名買いするイメージがありますが、相談して旅行を決めるお客様が多い。それも30代から40代の旅慣れた女性です。自分が望む旅行を実現するため、特にホテルの情報が求められます。ぜひ、ホテル側からも積極的な情報提供をして欲しいです。施設概要などの基本情報だけではなく、ホテル側が自分たちの魅力をどう捉えているのか、自信を持っている点をさまざまな切り口でアピールしてくれると、お客様に勧めやすくなります。
Q.今後の抱負をお聞かせください
お客様の知識は高くなり、旅行業界は専門性が求められています。それに負けないよう、グアム・サイパンに限らず、どんどん知識を広げていきたい。それにはもっと現地に行かなくてはいけませんね。グアムも実際に行くまでは、日本人が多く観光も…というイメージがあったのですが、実際は、海はきれいで観光がしやすく、アクティビティも多い。買い物も充実しているし、勧められるターゲットが本当に幅広いことを実感しました。ホテルでもスタッフがフレンドリーな対応をしてくれると、お客様に勧める安心感が違います。お客様にとっても、実際に現地を知っている方が信頼できますよね
そういう意味でも、いろんな国のスペシャリストを持っていればお客様の信頼が高まると思います。実は弊社では今年度から、名刺にスタッフが有する資格を印字しています。対象はDSとクルーズ・コンサルタント、社内研修のウェディング・コーディネーターで、全社的にも社員の知識向上とコンサルティング力の強化に取り組んでいます。
今までは知識を高める勉強として、パンフレットを見て気になったことを調べていくやり方をしていました。お客様に細かく質問されても大丈夫なようにという意識が強かったかもしれません。知識の習得を業務化してしまうと、効率的なものしか見えなくなるでしょう。でも、旅行会社に入社し、この仕事を続けているのは、もともと旅行に興味があるから。その気持ちを見失わず、自分にもお客様にも有効な知識には敏感でありたいと思います。
ありがとうございました
<過去のスペシャリスト・インタビューはこちら>
ウェディングやリピーターほど、店頭が頼りに
ウェディング会社が多く、デパートや宝飾店の多い銀座・有楽町界隈にある旅行会社では、ウェディングやハネムーンを承ることが多い。PTSトラベルナビ有楽町西武店もその1つで、接客には丁寧な説明と知識が求められるといいます。今年が入社5年目、そのほとんどを店頭での販売を担当されていたという安田さんに、お話をうかがいました。
株式会社PTSトラベルナビ
有楽町西武店 安田未沙さん
2007年度(第4回) デスティネーション・スペシャリスト グアム・サイパン認定
Q.DSを取得した理由と感想を教えてください
会社のお知らせでDSがあることを知り、有楽町西武店はウェディングの取扱いが多いので、グアム・サイパンを勉強すれば役立つと思いました。私が研修でグアムを訪れたことがあり、認定条件を満たしていたことも理由の1つです。
実際に受講してみると、思った以上に楽しかった。いつもはパンフレットで勉強したり、現地を見て学ぶことが多いのですが、それだけでは分からなかったことも多かったです。例えば、グアムの歴史文化といっても、タモン地区では見かける機会が少ない印象がありますが、ホテル・ニッコー・グアムやアウトリガー・グアム・リゾートの敷地のなかにラッテ・ストーンがあるなど、意外なところに遺跡などがあることが分かりました。
Q.ウェディングやハネムーナーが多いとのことですが、接客に特徴はありますか
ウェディングの場合、最初の相談から2、3回のコンタクトを経て受注という形が多いですね。まず、大まかに流れを説明し、行き先などの相談をしながら具体的に日時を決めていきます。普通の旅行の相談に加え、挙式や服装などのお話もあるので時間はかかりますが、お客様の記念に残る旅行で、やりがいがあります。
以前、ウェディングのお仕事で、印象的なことがありました。そのカップルも予約は挙式の半年前に終了し、その後も挙式に向けて必要な準備などをメールでやり取りしていましたが、最終旅程表を送った後、双方のご両親から連絡があったのです。
ご両親は海外旅行に慣れておらず、ホテルの近くにコンビニがあるかとか、現地での観光などを相談されたのですが、それを直接私に電話をしたのは、挙式の準備で忙しいカップルに気を遣われたようです。ただ、お二人から私の話は聞いていて電話しやすかったようで、相談を受け、オプションの予約もしました。こういう対応を通して信頼をいただけたようで、帰国後にカップルからもご両親からもお礼の電話をいただいたのがうれしかったです。同時に、旅行を受けるときは代表者の方としかお話しませんが、私は旅行に行く全員と関わっていることを改めて実感させてくれた出来事でした。
Q.販売側の視点から、商品の提案などありますか
例えばウェディングなら、海外旅行が初めてのご両親を同行する場合、観光に連れて行ってあげたいという方が多い。でも、ご本人たち現地到着後から挙式をするまで、打ち合わせがあって忙しいという事情もあります。そこで、島内観光などを慣れていない方でも気軽に参加できるようなプランがあればいいな、と思います。挙式するお二人の負担を除いてあげて、しかも家族全員の満足度が高まるプランが喜ばれると思います。
Q.ウェディング以外で最近のグアム旅行の傾向を教えてください
やはり、燃油サーチャージを気にするお客様が増え、予算重視か逆に質を重視するという両極端になってきています。予算重視のお客様はいかに安くなるかにこだわった旅程、質を重視するお客様はグアムまでビジネスクラスを利用する方もいます。このようなお客様はグアム好きのリピーターが多く、旅行はホテルを中心に決め、以前はホテルやルームカテゴリーの指定でしたが、今では客室の位置を指名する方もいます。
ですから、グアムはパッケージツアーを指名買いするイメージがありますが、相談して旅行を決めるお客様が多い。それも30代から40代の旅慣れた女性です。自分が望む旅行を実現するため、特にホテルの情報が求められます。ぜひ、ホテル側からも積極的な情報提供をして欲しいです。施設概要などの基本情報だけではなく、ホテル側が自分たちの魅力をどう捉えているのか、自信を持っている点をさまざまな切り口でアピールしてくれると、お客様に勧めやすくなります。
Q.今後の抱負をお聞かせください
お客様の知識は高くなり、旅行業界は専門性が求められています。それに負けないよう、グアム・サイパンに限らず、どんどん知識を広げていきたい。それにはもっと現地に行かなくてはいけませんね。グアムも実際に行くまでは、日本人が多く観光も…というイメージがあったのですが、実際は、海はきれいで観光がしやすく、アクティビティも多い。買い物も充実しているし、勧められるターゲットが本当に幅広いことを実感しました。ホテルでもスタッフがフレンドリーな対応をしてくれると、お客様に勧める安心感が違います。お客様にとっても、実際に現地を知っている方が信頼できますよね
そういう意味でも、いろんな国のスペシャリストを持っていればお客様の信頼が高まると思います。実は弊社では今年度から、名刺にスタッフが有する資格を印字しています。対象はDSとクルーズ・コンサルタント、社内研修のウェディング・コーディネーターで、全社的にも社員の知識向上とコンサルティング力の強化に取り組んでいます。
今までは知識を高める勉強として、パンフレットを見て気になったことを調べていくやり方をしていました。お客様に細かく質問されても大丈夫なようにという意識が強かったかもしれません。知識の習得を業務化してしまうと、効率的なものしか見えなくなるでしょう。でも、旅行会社に入社し、この仕事を続けているのは、もともと旅行に興味があるから。その気持ちを見失わず、自分にもお客様にも有効な知識には敏感でありたいと思います。
ありがとうございました
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