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タイ、イメージ悪化によるキャンセルを懸念−PATAは「通常通り」をアピール

  • 2008年9月5日
 太平洋アジア観光協会(PATA)によると、タイ国外務省はバンコクの首相府付近など一部を除き、通常通りの生活がされているとの声明を発した。一連のデモは死傷者が発生する事態となり、日本のメディアでもデモの様子が報道されたが、観光関係ではほとんどの観光施設で通常通りのサービスを提供しているという。

 ツアーオペレーターのサイトラベルサービスは、代表取締役の大畑貴彦氏がバンコクを訪問し、現地が平常通りであると日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)に報告している。同社の東京支店によると、市内観光は非常事態宣言が発出された2日、オペレーターの1社が催行を中止したが、3日以降は催行を中止したオペレーターも通常通り実施しているという。

 また、デモによるキャンセルはあるものの、全体の1割程度。ただし、同社の取扱う他のデスティネーションへのシフトも発生しているという。バンコクはリピーターが多く、現地の事情を知る人が多いため、こうしたセグメントは影響がないというが、主要顧客に熟年層が多いメディア商品などの一部では、旅行の手控えによる需要減の影響があると想定をしている。ただし、新規の予約も入る動きがあり、大きな減少にはならないと見ている。なお、デモの動向には注視しているものの、参加者数が減りつつあるといい、小康状態になっているという。

 エヌ・オー・イーではこれまで、デモに関わる場所が通常の観光では行かない場所であることから、主催するツアーをキャンセルせずに実施。旅行者にはデモが発生していること、避けるべき場所を案内した書面を手渡している。王宮は現地スタッフが確認の上、通常観光が可能と判断し、実施。今のところデモによるキャンセルの影響はほとんどないが、イメージの点で当面の集客に影響があると予測。デモが鎮静化してもしばらくは消費者が旅行を控えると懸念している。

 なお、PATAによると、タイの旅行会社「アジアン・トレイルズ」は、今週末までにデモが鎮静化して通常に戻った場合でも、タイへの9月の訪問者数は前年比10%減、10月は5%減になると予測している。


▽タイ警察、5日に学生デモの注意喚起

 在タイ日本大使館によると、タイ警察の情報として9月5日に市民民主化同盟(PAD)を支持する約100名のデモが予定されているという。デモ隊は午前9時にセントラル・ワールド前に集合し、午前10時までにサイアム・スクエア付近のタイ国家警察本部へ移動する予定だ。在タイ日本大使館では、該当地区に訪問する場合は、十分注意するように促している。


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