オランダ、セールス・ミッション来日−美術をアピール、来年にイベント多く

  • 2008年8月29日
 オランダ政府観光局は現地のホテルや観光局など6社・団体によるセールス・ミッションの来日にあわせ、業界関係者を集めたパーティーを開催した。同政府観光局日本地区局長の中川春恵氏は今年の日本市場について「現状は横ばい。ただし、チューリップを目的とする春に集中していた訪問時期が、年間を通してコンスタントに訪れるように変化している」とし、「日本の旅行市場の回復とともに、観光客も増加に転じると確信している」と今後の期待感を述べた。

 オランダ旅行ではこのところ、美術への注目が高まっている。オランダは、東京都美術館で8月12日から企画展が開催されているフェルメールをはじめ、日本人に人気のレンブラントやゴッホといった画家を輩出した国という素地がある。特に2009年から10年はオランダが美術・芸術年と位置づけており、「オランダ・アート・シティーズ」として10つの博物館や美術館で20以上の企画展が開催されるほか、09年7月には、エルミタージュ美術館・アムステルダム別館がグランドオープン。09年末にはアムステルダム市立美術館のリノベーションが終了するなど、美術目的の旅行の幅が広がりそうだ。

 さらに、今年に引き続き、来年も日本オランダ年であり、来年は日蘭貿易400周年を記念して美術をはじめ、さまざまなイベントが開催される。ライデンではシーボルト・ハウスを中心に、2009年の年間を通じてシーボルト関連のシンポジウム、日本にまつわる芸術イベントが計画されている。また、ライデン国立民族学博物館の倉庫に保管するシーボルト・コレクションを学芸員同行で見学できるプランを、ツアー客限定に実施するという。