海南航空、香港エクスプレスを完全傘下に−名古屋、大阪、沖縄中心に展開へ

  • 2008年8月6日
 海南航空(HU)はこのほど、グループ会社の香港エクスプレス(UO)を完全傘下に加えた。UOでは、7月に燃油高騰などによる経営悪化のため、総裁のロニー・チョイ氏が辞任。HU出身の経営陣のもとで経営体制の建て直しをはかり、その一環で8月末から岡山線と広島線の運休、9月からの関空線の就航を決定していた。今回の傘下入りにより、UOの日本支社長にはHU大阪支店長の陳源氏が就任。HU大阪支店では、今回の再編の目的を「事務所運営のコスト削減や管理の強化」と説明。現在は引継ぎを進めているところで、「急な話で時間が必要だが、8月中には一段落したい」との考えを示した。

 今後については、UOの既存の中部と沖縄線、新規就航の関空線を中心に、鹿児島路線も維持するほか、現在運航している香港/新千歳のチャーター便も活用していく。これらの方針は、「UOが日本に就航する理由の一つは、発地からインバウンドの需要が見込めるため」であり、香港からの訪日客に人気の高い地域に重点的に取り組んでいく。アウトバウンドに関しては、香港以遠の東南アジア線なども打ち出したい考えで、乗り継ぎ利便性の向上も進める方針。

 なお、HUでは燃油価格の高騰などの理由により、6月30日で関空/北京線の週5便を運休。これについては「諸条件が整えば復旧したい」考えで、このほか海南島へのチャーター便運航にも意欲を見せた。


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