08年夏休み、理想は「海外」も現実は「帰省」−学生の海外旅行は増加傾向に

  • 2008年7月30日
 電通リサーチが6月に実施した「2008年夏休み」調査レポートによると、今年の夏休みの理想の過ごし方として「海外旅行」を回答した人が多かったのは、20代未婚OLの63.9%で、前年から24.5ポイントも増加した。有職者は2.0ポイント減の24.9%、学生は2.2ポイント減の22.2%と減少しているものの、この夏の理想の夏休みとして「海外旅行」が1位となっている。ただし、30代から40代既婚者は13.5ポイント減の21.6%、50代既婚者は2.7ポイント減の19.7%で、それぞれ理想の過ごし方の1位が国内旅行にシフトしている。

 現実の過ごし方は「帰省をする」が増加し、これまで1位であった「国内旅行」を3年ぶりに抜いた。有職者でも帰省が6ポイント増の21.6%、30代から40代既婚者は帰省が9.4ポイント増の29.2%、50代既婚者は帰省が7.8ポイント増の23.0%と増えている。一方、海外旅行は理想の過ごし方の回答が多かった20代未婚OLは12.9ポイント減の14.7%に落ち込んだ。ただし、有職者では1.4ポイント増の7.3%、50代既婚者も7.0ポイント増の9.0%と増加しているほか、海外旅行離れが憂慮される学生が6.5ポイント増の7.9%となっており、今後の需要に期待が持てる結果といえるだろう。


▽「理想」としては長距離路線に人気集まる−平均予算は倹約傾向?

 理想の夏休みで「海外旅行」を挙げた人に、夏休みに行きたい国と地域を聞いた質問では、ハワイが50代既婚者以外の層で1位となった。50代既婚者は回答者の母数が24人と少ないものの、昨年の28.6%から4.2%に急減した。ただし、オーストラリアは昨年の0%から16.7%に急増したほか、アメリカ本土も1.8ポイント増の12.5%と人気が高い。有職者全体では、ハワイに次いでオーストラリアが2.7ポイント増の10.3%、イタリアが0.5ポイント減の7.8%、アメリカが1ポイント増の7.8%などとなっている。

 そのほか、有職者の夏休み日数は、理想が0.2日増の10.4日で現実は0.2日増の6.5日であった。また、夏休みの予算については、全体では「引き締める」が2.3ポイント増の27.0%、「緩める」が4ポイント減の9.5%となったが、実際の予算は2000円増加して10万8000円となった。

 なお、夏休みに限定せず、「この夏にやりたいこと」の回答は、日帰りを除く国内旅行が32%でトップ回答となった。特に40代から60代の女性で意欲が強いようだ。