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スペイン北部4州、自然や文化など質の高い多様な素材で訪問者増めざす

  • 2008年7月11日
 スペイン北部の4州で構成するグリーン・スペインは、自然や文化、歴史、料理など日本人向きの素材をそろえて魅力を訴求し、訪問者数の増加をめざす。スペイン政府観光局局長のイグナシオ・ドゥカセ氏は、「スペイン全体への2008年上半期の日本人訪問者数は、厳しい市場の中で前年とほぼ横ばいとなった」と堅調さをアピールし、「グリーン・スペインは最も知られている地域とは言えないが、定番の観光地に劣らない魅力を十分に備えている」と述べた。同局マーケティング・マネージャーの洞澤徹氏も、「スペインの多様で魅力的な素材が、ヨーロッパのリピーターも満足させるものであることを消費者が理解し始めている。旅行商品の数も増えてきつつあり、北部への注目は高い」と説明した。

 4州はガリシア州とアストゥリアス州、カンタブリア州、バスク州。ガリシア州の州都「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」やカンタブリア州の「アルタミラ洞窟」、アストゥリアス州の「オビエドとアストゥリアス王国の建築物」など複数の世界遺産を有するほか、ピコス・デ・エウロパ山脈国立公園、リゾート地のサン・セバスティアンのビーチ、バスク州のグッゲンハイム美術館、小さな漁村、郷土料理、ミシュランの星付きレストランなど、一度の旅行で幅の広い体験が可能。さらに歴史や文化、料理は各州で差異があることも魅力としてアピールしたい考え。また、宿泊施設の受け入れ態勢は、シェラトンなど国際的なチェーンホテルが進出しているほか、5ツ星から農家民宿まで多様な選択肢を用意している。

 なお、ガリシア州観光促進会社取締役のシュスス・ペレイラ氏によると、正確な数値は把握できていないものの、北部への日本人訪問者数は増加傾向が続いている。洞澤氏は「従来、スペインはアンダルシアのイメージばかりが強かったが、現在は消費者が成熟し、多様性を評価してもらえている」と説明。「消費者のニーズは多様で質の高い素材に向いており、北部はそれに応えられる場所」であることから、今後の訪問者数増加に期待を示した。