Marriott Bonvoy

マイアミ、09年度のパウワウ開催地に、空港拡張とホテル充実で参加者増へ

  • 2008年6月6日
(ラスベガス発 宮田麻未) 2009年度のパウワウは5月16日から20日まで、フロリダ州のマイアミで催されることが、今年度のパウワウ会場であるラスベガス・コンベンションセンターにおいて公式に発表された。6月3日の記者会見に臨んだグレーター・マイアミ・コンベンション&ビジター・ビューロー(GMCVB)のプレジデント兼CEOのウィリアム・タルバート氏は、「来年度の開催地にマイアミが選ばれたことは、非常に大きな意味がある」と強調し、マイアミ空港の拡張とホテルの客室数の大幅な拡大をキーポイントとして、パウワウ参加者の増大をはかりたいと意欲を語った。

 マイアミ国際空港は、昨年8月に拡張工事を終了し、エアバスA380の離着陸も可能な滑走路を含むサウス・ターミナルをオープンした。この新ターミナルだけで米国内の中規模空港と同程度の広さがあるという。19の航空会社と、1時間あたり約2000人の利用客数の扱いが可能である上、クルーズ客のためにバスターミナルを充実させるなど、細かい配慮がされている。また、フロリダ観光局(ビジットフロリダ)のプレジデント兼CEOのバッド・ノセラ氏は、「マイアミ国際空港での入国手続きの迅速化に努めている」と付け加え、海外からの旅行者の割合が米国で最も大きいマイアミ国際空港ならではの、改善に向けた動きを示した。

 また、ホテルの客室数増大に関してタルバート氏は、10億米ドルをかけて改装中のフォンテンビューロー・リゾートが今年秋に再オープンするのをはじめ、リージェント・バル・ハーバーや、デ・ソレイル・サウス・ビーチ、キャニオン・ランチ・マイアミ・ビーチなど、6軒以上のデラックスな大規模リゾートホテルが新規開業する予定を紹介。2000年代に入って加速化した、マイアミのホテル建築ラッシュが今後も続くことを強調した。


▽夏のディスティネーションとしての可能性

 マイアミは伝統的な「避寒地」として知られている。全米最大規模のアートフェアとして2002年に始まった「アート・バーゼル・マイアミ」や、今年25年目を迎えるマイアミ国際映画祭なども、避寒客を見据えた冬季に開催されている。しかし、GMVCVBは、冬季以外のディスティネーションとしてのマイアミの開拓を進めており、その象徴とも言えるイベントが、2001年以来、毎年8月から9月にかけて開催される食の祭典「マイアミ・スパイス・レストラン月間」だ。これは80軒以上のトップレストランが参加して、特選料理を比較的リーズナブルな料金で提供するもので、話題のレストランを体験してみたいという旅行客にも大きなアピールとなるだろう。

 ジャングル・アイランドやマイアミ水族館、メトロ動物園など、夏休みの家族連れの集客を期待しているアトラクションも、2000年以来大規模な投資により改装をしているほか、「ゴルフ場などのアウトドアやエコツーリズムの面でも、新たな魅力を見てほしい」と、タルバート氏は呼びかけた。

 これに加えノセラ氏も、海外からの観光客は2006年から07年にかけて14%増加したことに触れ、観光局のウェブサイトの表示の言語を、英語以外も増やすようにするなど、今後もインターナショナル・マーケットに力を入れていくと語る。現在、このウェブサイトには日本語版はないが、ノセラ氏は「日本語版制作のための予算を計上している」と述べ、日本マーケットへの意欲も忘れていないことを強調した。(写真 神尾明朗)