ジンバブエ、外務省にビクトリアフォールズの渡航情報引下げを要望

  • 2008年6月3日
 ジンバブエ政府観光局チーフ・エグゼクティブのカリコガ・カセケ氏、同局極東エリアマネージャーのタカ・ムニャニワ氏、ジンバブエ環境観光省秘書代理のエンバー・ムツァウ氏が来日、同国、とりわけビクトリアフォールズ地域の安全性を訴えた。ジンバブエは4月24日以降、総選挙の結果開示に遅れに対するデモの発生を受け、全土に危険情報がレベル2の「渡航の是非を検討してください」に引き上げられた。

 カケセ氏らは6月9日、外務省領事部や日本旅行業協会(JATA)を訪問し、ビクトリアフォールズ地域について、ジンバブエにとって外貨が獲得できる重要な観光地で、治安は良い状況を説明。外務省では渡航情報の引き下げを要請し、「ポジティブなミーティングだった。渡航情報の引き下げを働きかける検討をしていく、との話がもらえた」と話す。時期は未定であるものの、カケセ氏は「一気に全土は難しいかもしれないが、ビクトリアフォールズに関しては、できれば6月中旬から7月中旬までにレベル1に引き下げたい」と希望を語った。渡航情報の引き上げは、デモの発生地が駐ジンバブエ日本大使館の近くで発生したことから、現地の日本大使館の報告が発端という経緯がある。

 そのため今後、カセケ氏は「日本人を守るのが責務である大使館の行動は当然のことで、理解できる。意向を尊重しながら、正しい情報を提供したい」と、現地の日本大使館に引き下げに向けた情報提供を働きかける考えだ。また、「現地がいかに安全か見てもらいたい」と語り、10名規模のメディアツアー、またはメディアと旅行会社の研修ツアーの実施も考えている。


▽6月27日に決戦選挙、「緊張ない」見通し

 カセケ氏は、同国でのデモについて「法的に認められているもの。ただし、暴動が起こったわけでない」と、強調する。6月27日には、大統領を選出する決戦投票が行なわれるが、これについては「前回の選挙は上院下院を含めた大きな選挙で時間を要した結果、デモとなったが、今回は2者による選挙のため短時間で済み、緊張状態にはならないのでは」と見通しを述べた。


▽2007年の日本人訪問者数は約2万人

 ジンバブエを訪れる旅行者数は増加しており、2007年は全世界から前年比24%増となる約270万人が訪れた。アジアは30%増の約7万人で、そのうち日本は30%の約2万人であったという。