Marriott Bonvoy

アメリカ、公から口コミまで網羅する「公式」サイト開設−需要促進の枠組みも

  • 2008年5月21日
 全米旅行産業協会(TIA)は5月20日、アメリカ観光情報の日本語サイト「ディスカバー・アメリカ」を立ち上げた。これはアメリカ商務省や国務省の公的機関、TIAのパートナーである民間の各社と協力して構築したもので、アメリカ観光情報の「公式サイト」で、各デスティネーションに加え、ビザや入国手続きなどの情報を掲載するコーナーもある。また、アメリカに旅行した人々が旅行記を書き込むことができるスペースを確保し、公的情報から口コミまで幅広い情報を網羅するサイトとなる。

 TIAヴァイス・プレジデントのブルース・ボンマリート氏は、「公式サイトは日本、カナダ、英国、ドイツ、メキシコで展開する。このサイトを活用して旅行の計画を立て、実際に訪れていただきたい」と語る。現在、このサイト上には約2500ページにおよぶ情報が掲載されており、現在は全米50州の主要な50のデスティネーションを掲載しているが、「今後も順次、拡大をしていく」という。また、予約機能についても、TIAと戦略的パートナーシップ契約を締結するトラベロシティがホテルの予約を提供しているが、今後、こうしたパートナー次第で、提供する予約機能にも広がりが出てくると想定している。なお、現時点で、サイトへのアクセスについて、目標数値は明らかにしていないが、「各種のサイトから、公式サイトへ誘導することで、認知の向上、アクセスの増加をはかる」としている。


▽アメリカへのプロモーションにむけた枠組み作り

 ボンマリート氏は今回のサイト開設について、連邦政府から390万ドル、その40%をTIAが拠出することでサイトを完成させたとし、今後のウェブサイトの運営、マーケティングはTIAが長期的に展開をしていくという。こうした協力体制は、日本のアウトバウンドに関しても同じ。日本旅行業協会(JATA)のビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)についても理解を示し、「連邦議会において、旅行促進法案(Travel Promotion Act)の成立を働きかけていく」と、資金的な裏づけも踏まえながら、日本アウトバウンドとも協力する考えを示した。特に、日本とアメリカの両政府が相互交流をめざした覚書(MOU)が失効して以降、官を巻き込んだ動きがないものの、ハワイに関しては民間レベルでの話し合いの場が作られたところ。ボンマリート氏はこうした民間レベルの議論の場をつくることもJATAと協力していく考えのようだ。


▽ディスカバー・アメリカ
http://www.discoveramerica.com/jp/