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トランスアエロ航空、成田/サンクトペテルブルク線就航−交流拡大に期待

  • 2008年4月28日
 トランスアエロ航空(UN)は4月25日、成田/サンクトペテルブルク線に週2便で就航した。初便で来日したUN会長のアレクサンドル・プレシャコフ氏は、「就航希望の多い成田空港に就航できて光栄」と語り、「設立以来17年間無事故という安全性、サービスの改善を進め、満席にしていくことで、早期にデイリー化したい」と意欲を示した。また、記念セレモニーではサンクトペテルブルク知事のヴァレンチーナ・マトヴィエンコ氏や駐日ロシア臨時大使のミハエル・ガルズィン氏らも、「日露間、日本/サンクトペテルブルク間で、観光とビジネス両方の交流が拡大する」と歓迎し、それぞれの立場からデイリー化を後押しする方針を表明した。

 プレシャコフ氏は、「旅客の75%が日本発になると想定している」と日本市場に期待。2008年の旅客数は、全体で1万2000人から1万3000人の想定で、2009年には2万人を目指していく。この日本発の旅客のうち、ビジネス需要は「12%から15%ではないか」と予想しており、「2009年には20%まで増やしたい」という。現在、サンクトペテルブルクへの日本企業の進出数は40社を超え、日産自動車の車両組立工場も建設中で、経済交流が進んでいる。一方、観光需要は、2007年のサンクトペテルブルクへの日本人観光客数は、モスクワ経由が約3万人、チャーター便利用が約12万5000人とし、こうした訪問者数は増加に弾みがつくという期待を示している。直行便はモスクワ経由便と比較すると、約3時間の短縮が可能だ。

 さらに、サンクトペテルブルク以遠のヨーロッパ方面など乗り継ぎの需要取り込みも目指す。日系航空会社との提携は、「すでに日本航空(JL)と貨物便では提携しており、旅客便に拡大する可能性はある」とした。サービス面については、「日本人の目が厳しいことは知っている」とし、日本人客室乗務員や和風の機内食、日本語の主要新聞などを提供すると説明。成田空港のビジネスクラス用ラウンジは、カンタス航空(QF)と使用契約を結んだ。なお、使用機材はボーイングB767-300型機で、座席数はビジネスクラス12席とエコノミークラス223席。ビジネスクラスの需要が増えれば、同型機でビジネス26席、エコノミー190席の機材を投入するほか、「近い将来、ボーイングB777型機を投入したい」という。

 旅行会社との関係については、「すでに約20社と取引しており、今後もロシアやサンクトペテルブルクの取り扱いに意欲的な会社と連携していく」。なお、需要喚起策として、就航後6月までは燃油サーチャージを徴収しない方針だ。


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