ジンバブエが「渡航の是非検討」に、渡航中止や旅程変更の対応に

  • 2008年4月25日
 外務省は4月24日付で、ジンバブエ全土の渡航情報の発令内容を「渡航の是非を検討してください」へ引き上げた。これにともない、24日18時現在、現地時間との時差のため、旅行会社の募集型企画旅行の対応は「現地との連絡が始まったばかりで検討中」という対応が多かったものの、旅程変更の動きがでている。

 ジェイティービーは現在、各社からの情報を収集しており、対応を検討中。ただし、ジンバブエには渡航しない方針だ。JTBグランドツアー&サービスでは、4月27日出発でビクトリアフォールズ、ケープタウン、クルーガーに滞在する9日間/10日間コースのツアーについて、旅程変更をして催行することを決定。旅程変更により申込者がキャンセルする場合は、取消料は収受しない。また、メディア商品の「南部アフリカベストハイライト8日間」も、ジンバブエは2日目のみの滞在だが、5月14日発、5月21日発、5月28日発で催行を検討している。JTBワールドバケーションズでは現在、緊急の旅行実施検討委員会を立ち上げて検討しているところ。ただし、4月22日発のルックJTB「心ゆく旅」の12日間コースは24日がジンバブエ宿泊であるが、当初の旅程通り翌日の朝に現地を去り、隣国に移るという。その他、大手では冬期のため、近々では「該当ツアーがない」ものの、6月以降など今後は「検討する」、「情勢を考えれば催行はどうか」という見方もある。

 クラブツーリズムは「ジンバブエには入国しない」との判断だが、旅程をビクトリアフォールズから、反対側から滝を眺められるザンビアのリビングストーンに変更する決定をした。既に21日出発、22日出発のツアーはすでに現地に入っているため、現地でその都度の対応になるが、4月27日発、28日発、5月1日発、2日発、4日発のツアーは、ザンビアに変更。重大な変更になるため、申込者には解除権を与え、これから個々に説明など対応していくという。このほか、ランドオペレーターのプラネットによると、「ツアーはなるべく催行したい」と、リビングストーンにシフトを要請する動きがでているようだ。リビングストーンからは陸路でチョベに移動することも可能で、シフトするだけで、ほぼ同内容のツアーを提供できるという。


▽引き上げに「いきなり」の感、変化見られず

 今回の渡航情報の引き上げは、ジンバブエ国内で3月末の選挙結果が公表されない状態が続き、政治的緊張の高まりによる治安悪化の恐れから、暴動等の不測の事態に発展する可能性があるとしたもの。4月11日は在ジンバブエ日本国大使館付近の公園で野党の支持者による集会が実施され、出動した警官が解散させるなど緊張が高まったという。

 旅行会社やオペレーターからは「以前と変わらないのに“いきなり”の引き上げで驚いた」、「ビクトリアフォールズなど観光地は、比較的安定している」という感想もあり、「個々の現地を見て判断して欲しい」という要望も漏れた。南部アフリカは4月から8月までの冬期は閑散期であったが、このところ「乾季で快晴率が高く、動物が見やすい。ビクトリアの滝は水量が多く、見ごたえがある」との認識が増え、少しずつ旅行者が増えてきたところだという。今年は燃油サーチャージの高騰で、長距離デスティネーションが不振の中、南部アフリカは対前年と同程度、という会社もあり、今回の渡航情報の引き上げがデスティネーションに対する印象への影響となるのを懸念している。


※状況変更のため、最新情報に変更しています(午前11時11分)