JATA市場調査、海外は予想以上に悪化−中国不振や景気悪化、燃油高で

  • 2008年4月3日
 日本旅行業協会(JATA)が2月中旬から3月上旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、1月から3月の海外旅行市場は前回の見通しから20ポイント下回るマイナス33ポイントとなった。なお、この数値はゼロがすべて普通を示しており、プラス100ポイントがすべて良い、マイナス100ポイントがすべて悪いを表す指標。

 今回の指標が下振れした大きな要因は、個人消費の低迷や燃油サーチャージ値上げのほか、オリンピックによる需要増加を期待した中国において、食の問題をはじめとして不振におちいっていることが影響した。また、前回まで中国とアジアはかろうじてプラスの見通しであったが、今回は中国がマイナス29ポイントと大きく減退、アジアもわずかだがマイナス1ポイントと、全方面でマイナス成長となっている。4月から6月も、ゴールデンウィークの日並びが悪く、厳しい状況の予測が多く、海外旅行全般では今回より5ポイント回復のマイナス28ポイントとなっている。

 一方、国内旅行は前回の予測どおりマイナス値だが、悪化することなくマイナス7ポイントと横ばいで推移。しかし、3ヶ月後には海外からのシフトが期待され、全般でマイナス1ポイントとなっている。

 なお、今回から60歳以上の客層をさす「シルバー」を「シニア」に改称したほか、海外旅行の顧客層別の項目で「熟年」をなくし、「学生」が加わった。


※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。

▽海外旅行全般DI値(現在/3ヶ月後)
全体/-33/-28
総合旅行会社/-47/-35
海外旅行ホールセラー/-42/-58
海外旅行系旅行会社/-63/38
リテーラー1/-40/-35
リテーラー2/-27/-22
インハウス/-13/-10

▽顧客層別DI値(現在/3ヶ月後)
ハネムーン/-49/-41
ファミリー/-41/-41
OL/-50/-50
学生/-29/-62
シニア/-13/-10
インセンティブ/-43/-36
商用・視察/-18/-15

▽方面別DI値(現在/3ヶ月後)
ハワイ/-31/-35
アメリカ・カナダ/-47/-46
ヨーロッパ/-28/-22
オセアニア/-41/-45
ミクロネシア/-25/-35
中国/-29/-24
アジア/-1/-3