現地レポート メキシコ、エキスパートの視点−南バハ・カリフォルニアを活かすために

  • 2008年2月29日
(1)訪れるリゾートそれぞれの個性の把握を

株式会社道祖神 レックスツアーズ・デスク 田淵司氏

 田淵氏は1990年からこのエリアの開発を手がけてきた草分け的存在。この地域を「リゾートとしてのポテンシャルはかなり高い」と評価した上で、「バハ・カリフォルニアを旅するには、旅行者にもある程度“Do it yourself”の感覚をもってもらう必要がある」という。ガイドを含め、日本人向けの環境はまだ整っておらず、メキシコ人の国民性なども踏まえると、今後もしばらくは時間がかかると思われるからだ。そのためには、アジアの高級リゾートのような完成度は望めないことを旅行会社が認識して、旅行者に伝える必要があるとする。

 さらに「旅行会社は、場所によってまったく違ったスタイルの滞在ができることを認識しておくべき」とも加える。例えばロス・カボスなどはリッチな豪遊できる地であり、ラパスやロレートではさほどお金をかけずにローカル色を楽しめる場所。たとえハネムーナーでも、タイトな予算のカップルにロス・カボスを勧め、実際に訪れても、現地の物価の高さに驚き、高級なサービスに付いていけないでしょう。それぞれの良さを旅行会社が理解し、消費者の趣向にあった旅行先をすすめることで、これらリゾートのポテンシャルをいかすことができると強調した。

(2)アクティブシニアにおすすめ

株式会社JTBグランドツアー&サービス 
企画販売部営業チーム 添乗員 佐藤明日子氏

 長年の添乗経験を元に、現在は商品開発も手がける佐藤氏。バハ・カリフォルニアは、「珍しい場所を求めている人に勧めたい」場所だと言う。世界のいろいろな場所に添乗したツアー中で、よく聞くのが「せっかく外国にきたのに、日本人ばかりね」という声だが、バハ・カリフォルニアでは日本人にほとんど会うことがなかったからだ。また、「旅の素材もかなり魅力的」と続ける。デラックスなホテル、新鮮なシーフード、ゴルフやクルージング、そしてイルカとのスイミング。アクティブシニアを自称される定年間近の熟年夫婦にすすめたいという。特にロス・カボスは、ある程度余裕のあるエレガントなご夫婦に、フルムーンではなく「2度目のハネムーン」のための場所として、提案したいようだ。