現地レポート メキシコ、ロレート−素朴な古都の街並みとブルーホエールも訪れるクジラの街

  • 2008年2月29日
 ロレートは、バハ・カリフォルニア最古の街。1697年、ここにスペインのイエズス会士が最初のミッション(伝道基地)を建設し、町の基礎ができた。以来、北のサンフランシスコにまでいたるカリフォルニア地域のミッション建設の中心地であり、またこのエリア全体の首都として、133年にわたって繁栄し続けた古都である。

 現在の街は静かで穏やか。中心地には、300年以上前に建てられたオリジナルのミッションが残され、内部は博物館となっており、ここがカリフォルニア一帯のミッション発祥の地であることを伝えている。その周りには小さなみやげ物屋が並ぶばかり。店番をする人々も、商売っ気はほとんどなく、なんとも素朴でのんびりとしている。

 この地は、ホエールウォッチングの基地としても大変有名だ。バハ・カリフォルニアでは頻繁に見られるグレイホエール(コククジラ)はもちろんのこと、巨大なブルーホエール(シロナガスクジラ)もしばしば見ることができる。ビーチサイドには、リゾートホテルが点在し、ホエールウォッチングをはじめフィッシングなど様々なアクティビティを提供。沖合いにあるコロネドス島に渡り、カヤックなどを楽しむのも人気だ。

 また、このあたりは海の近くまで山が迫っており、変化ある風景が楽しめるのも特徴だ。山の中には、1万年ほど前にこの地に定住したといわれる先住民の壁画など遺跡も残されており、これらも興味深い。歴史や文化に興味があり、メキシコらしさ、バハ・カリフォルニアらしさを求める旅行者にはぜひおすすめしたい街。ラパスからは約230キロで、アエロメヒコ(AM)の定期便利用なら45分のフライトだ。ラパスを朝出発して夕方に戻るスケジュールのため、日帰りで訪れることも可能なのもうれしい。