観光活性化フォーラム
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インフラ整備で地域ガイドの育成と活用を−JATA経営フォーラム

  • 2008年2月27日
 JATA経営フォーラムの分科会G「日本型インバウンドモデルの確立を目指す!」で、JTBグローバルマーケティング&トラベル代表取締役社長の野口英明氏は通訳ガイドの現状と課題について、地元に根ざした地域ガイドの育成と活用を指摘した。

 野口氏は日本観光通訳協会の理事も務めており、インバウンドにおけるインフラ整備で地域ガイドの重要性を強調。訪日外国人観光客が求めるものは、地域に詳しいその土地のガイドであるが、地域によっては他の地域から来たガイドが担当する。法律や制度の問題から、実際には地元に詳しい有資格ガイドが育ちにくい現状がある。野口氏は「地域での養成が望まれる。できることなら、公務員として雇用するといった取組みをしても良いのでは」と提案した。

 さらに、通訳制度の規制緩和について、外国語が使え、日本の地理や歴史についての知識があるという条件をクリアするだけではなく、「自由業として観光客を楽しませるなどの要素を持ち合わせた人材が求められている」という。また、海外の旅行会社は価格の面でガイドの利用を避け、国はライセンスを持つガイドの利用を訴えるという、すれ違っている現実をいずれは見直さなければならないとし、「そうした時期がやってくる」とも予見した。