観光活性化フォーラム
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JATA、VWCは収益あげる体制築き2000万人達成を−変化に対応を

  • 2008年2月21日
 日本旅行業協会(JATA)は、4月1日から開始するビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)について、2000万人の達成だけでなく旅行会社や航空会社が収益をあげる体制を築き、需要喚起に努めることが重要との考えを強調した。JATA理事長の梅田春実氏と事務局長の奥山隆哉氏が2月20日、業界紙との定例会見で語った。

 梅田氏は、「アウトバウンドは従来のやり方が通用しない。旅行業界はそれを分かっていながら、新しい方法を見出さず来てしまった」と語り、変化する消費者のニーズに応える方法を探す必要があるとした。そのためVWCでは、定番デスティネーションの魅力の見直しや新デスティネーションの掘り起こしを柱に据える。「重点市場を設定しても全てがうまくいくとは限らないが、1つ成功例ができれば他に応用でき、自信もつく」(梅田氏)という。予算面でも3年間で数億円規模となる見込みで、政府観光局、航空会社、関係省庁、地方公共団体などとも協力して推進する。

 ただ、奥山氏が「予算を使って運賃を安くする単なる安売りはしない」と明言し、あくまで業界の底上げ、発展を目標とする。また、若年層の相互交流の促進にも取り組むが、業界の将来的な利益のためだけでなく、「国際理解を促進し、日本を開かれた国にする」(梅田氏)という社会的意義も意識している。


▽VWCの本格稼動は4月から−推進特別委員会も体制ほぼ固まる

 なお、VWCのロードマップは策定中で、このほどVWC2000万人推進室長に決定した澤邊宏氏が4月1日の着任後に確認し、発表する。4月以降は、ジェイティービー、近畿日本ツーリスト、エイチ・アイ・エス、ANAセールス、ジャルパックなどからの出向社員が業務にあたる。また、推進室の上部組織にあたるVWC2000万人推進特別委員会は、日系航空会社2社の社長や国際観光振興機構(JNTO)理事長の間宮忠敏氏が委員に内定したほか、在日外国観光局協議会(ANTOR-Japan)や在日航空会社代表者協議会(the Board of Airline Representatives:BOAR)、成田、関空、中部の各空港などからも参集する見込み。国土交通省総合観光審議官の本保芳明氏も、オブザーバーとして内諾を得ているという。

 また、VWC開始後は、方面別の需要喚起のために「デスティネーション戦略会議」を、地方での需要喚起を視野に、「チャーター・航空問題等海外旅行促進協議会」をそれぞれ設置する予定だ。