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国交省、日本発国際航空運賃の下限撤廃を通知−JL以外の申請は現状なし

  • 2008年1月29日
 国土交通省は1月28日付けで、日本発国際航空運賃に関する制度を改正、航空会社に通知した。改正の内容は、ペックス運賃について、IATA・PEX運賃の下方70%に設定している下限を撤廃すること(いわゆる下限撤廃)、およびIT運賃ではIATA・IT運賃の設定のない路線は、キャリアIT運賃の上限額をこれまでのIATA・IT運賃からIATA・PEX運賃へと改正するもの。

 既に、日本航空(JL)は一部方面で運賃を申請しているが、全日空(NH)は2月をめどに路線毎に申請する見通し。JLでも一部でIATA・PEX比で7割を越す路線もあるが、NHでは「路線の需給をみながら設定する」(広報室)としている。また、外国航空会社は現在のところ「相談はあるものの、申請はない」(国際航空課)という。外航は今週末から来週にかけ、申請が集中するものと見込まれる。

 今回の下限撤廃で、航空会社は座席の値付けに自由度を高めたが、運賃は安くしすぎても採算割れとなるため、この需給のボーダーラインの見極めが重要になってくる。日本発では既に申請済みのJLの運賃が一つの指標となるが、JLが申請した運賃でも全てにわたり安くなっているわけではなく、今後は航空会社側のイールドコントロールがいっそう重視される時代になってくる。