現地レポート、台湾−1泊2日ツアーの誕生で新市場創出に期待
週末に行ける手軽な台湾
1泊2日ツアーの誕生で新市場創出に期待
2007年10月から、チャイナエアライン(CI)を利用する1泊2日の台北パッケージツアーが誕生。従来からあるソウルや上海に加え、1泊2日の海外ツアーのラインナップが広がった。昨今、メディアでは2日間や3日間の海外弾丸ツアーを特集するテレビ番組や雑誌が増え、週末に「わずかな時間でも海外へ出かけたい」とか、国内旅行の感覚で「ちょっと行ってみよう」と思う市場が、以前よりも醸成されつつある。まさに土曜日・日曜日の週末に行なわれたFAMツアーの内容をレポートする。
(取材協力:チャイナエアライン)
◆1泊2日ツアーのニーズを、身をもって体感
1泊2日であっても、ハイライトを回り、伝統や文化、最新トレンドなど台北のさまざまな側面を見たり、体験できれば充実感がある。今回の参加者には20代から30代の旅行会社やランドオペレーターのスタッフの参加が多く、「忙しくて休みが取れないが、旅行は行きたいという気持ちはまさに同調できる」「シニアには向かないが、自分達の世代には、ぴったりとはまる」と、販売への自信を深めていた。
CIによると、正式に統計をとっていないものの、10月の販売以来、順調に推移しており、商品が増えればその分伸びていくと期待している。国内旅行感覚で週末は温泉代わりに台北でグルメやエステを楽しむ、そんな台湾の楽しみ方が市場に浸透するのも、先の話ではないかもしれない。
その際、もっと旅行目的に落とし込んだ企画も考えられるのではないか。今回は台北観光のハイライトを訪れる内容であったが、例えば1泊2日ツアーのターゲットとなる年代の女性向けに、エステやマッサージ、茶藝館を訪れる「癒し」をテーマにしたツアーや、台湾で中国料理を制覇するようなグルメの食べ歩きツアー、人気の台湾ドラマをテーマにしたのもいいだろう。1泊2日だからこそツアー目的にどっぷり浸かっても間伸びしないし、それが台湾ファンの造成とリピーターの呼び込みに繋がるように思える。
◆ツアー体験 1日目:午後
昼食は本場の中華、有名スポットをまわり大満足
1泊2日のツアーでは、成田を午前9時40分に出発するCI107便を利用。約4時間のフライトで午後12時30分に台湾桃園国際空港へ到着する。台北市内へは空港から車で約1時間。市内でランチを食べることが可能な時間帯だ。
ツアー内容は各コースによって異なるが、観光付きが基本で、まったくのフリープランはまだない。今回のツアーでは、1日目のうちに台北観光の定番である半日の市街観光を実施。「行天宮」「占い横丁」「民主紀念館」「総督府」「国父紀念館」「台北101」を訪れたが、たいていは3ヶ所から5ヶ所くらいの観光が可能だ。台北の通常のツアーでも市街観光が半日というケースが多く、1泊2日だから駆け足で済ませるという気はしない。各観光地への移動が平均30分という、見どころがコンパクトに点在する台北だから実現できることだ。
最後の観光スポット「台北101」に到着したのは午後5時30分で、ちょうど夕暮れ時。ぜひ世界一高いビル台北101の展望台まで上がることを勧めたい。淡いワインレッドの空に街のネオンやビルの光がともりはじめる黄昏時の景観は、女性でなくとも心を動かせられるものがあるだろう。このエリアは台北の流行の発信地で、まるで横浜のみなとみらい地区のような雰囲気。映画館や最先端のデパート、ショッピングモールが並び、付近では週末ともなれば各種イベントが開催される。取材時はクリスマス時期ということもあり、市民によるゴスペルコンサートが開催され、多くの人々で賑わっていた。
◆ツアー体験 1日目:夕食後
24時間オープンの街・夕食後の楽しみもいっぱい
従来から台湾旅行の目的となっているのが、ショッピング、グルメ、マッサージ。これらは夕刻後から楽しむのにぴったりだ。特に夕食にはぜひ、いろいろな味を楽しんでもらいたい。台湾はグルメ天国で、台湾料理のほか北京料理や広東料理など、中国大陸各地の料理が楽しめる。高級レストランから、庶民的な食堂や屋台で地元の人々に混じって雰囲気もろとも楽しむこともできる。一度の旅行では食べつくせず、食を求めて再び訪れるリピーターが多いほどだ。
お腹が満たされたころ、台北はまた新しい表情を見せる。台北名物、「夜市」だ。市内には5ヶ所以上の夜市があり、なかでも「士林夜市」が最もにぎわう。1キロの道に露店が並び、店の数も集まる人の数も台北ナンバー1の規模。歩くのも一苦労なくらいに込み合っており、エネルギッシュな台北の姿を見ることができる。日用雑貨やアクセサリー、ファッション、小物、お土産など、何でもそろう。歩き疲れたら食べ物の屋台で、フルーツやマンゴーアイスを食べて休憩し、再び喧騒の中へ。たいていは午後9時ごろから午前1時まで開いているが、MRTは午前0時まで。時間配分には気をつけたい。
普通ならこれでホテルに戻ることが多いが、限られた時間は有効に使いたい。かといって、1日中観光した後で、体力的にもかなりの強行だ。そこで勧めたいのがマッサージ。市内には24時間営業のマッサージ店も多く、この時間からでも十分に間に合う。日本客に慣れていて対応がスムーズな上、日本円で支払える店も多い。全身から頭皮、足裏まで種類が豊富で、予算は90分で1500元(5250円)ほど。強行日程の疲れを取り、明日へ活力にも繋がる、一石二鳥の体験だ。
◆2日目:
足を延ばして郊外へ。市内から1時間以内でアクセス可能
台北の1泊2日ツアーでは、2日目は自由行動とする旅程が多い。女性はホテル内のエステやマッサージ、男性は買い物がてら故宮博物院や動物園などの観光、若者は台湾の渋谷や原宿的な街・西門でのショッピングなどをすることが多いが、たいてい台北市内からあまり離れないようだ。
しかしせっかく来たら、もう少し足を延ばして、台北とは違う観光を楽しみたい。台北の周囲にはそれらを満たすスポットが豊富だ。例えば市街から車で約30分程度の「新北投温泉」には、大小20軒の温泉宿が点在する。実は台湾も日本と同様に温泉が多く、台湾の人々にとっても人気の観光素材。観光客の多くは台湾人で、人気が高いことがうかがえる。一時は日本からの観光客も多かったが、最近は日本でのピーアールをやめていたことから日本人が少なく、穴場的な雰囲気だ。日本統治時代に温泉街として栄えたこともあり、日本風の建物が多いのも面白い。
また、台北からMRTで約35分のところにある淡水もお勧め。淡水川の河口に開けた漁村で、街並みの雰囲気が台北市街とはまたガラリと変わる。古びた素朴な建物が多く、20年から30年前の台北はこんな感じではなかったか、と思わせる。潮の香りが漂う街には土産物を扱う店や魚介類を素材にする屋台、魚のかご売りなどの風景が見られ、週末になると多くの人が行き交い、活気がある。アジアの古い街並みを歩いているような、そんな異国情緒を感じつつも、午後1時に市街から空港へ移動し、日本へ。お土産やお昼ごはんを忘れていたら、空港の免税店やレストランを利用したい。
1泊2日ツアーの誕生で新市場創出に期待
2007年10月から、チャイナエアライン(CI)を利用する1泊2日の台北パッケージツアーが誕生。従来からあるソウルや上海に加え、1泊2日の海外ツアーのラインナップが広がった。昨今、メディアでは2日間や3日間の海外弾丸ツアーを特集するテレビ番組や雑誌が増え、週末に「わずかな時間でも海外へ出かけたい」とか、国内旅行の感覚で「ちょっと行ってみよう」と思う市場が、以前よりも醸成されつつある。まさに土曜日・日曜日の週末に行なわれたFAMツアーの内容をレポートする。
(取材協力:チャイナエアライン)
◆1泊2日ツアーのニーズを、身をもって体感
1泊2日であっても、ハイライトを回り、伝統や文化、最新トレンドなど台北のさまざまな側面を見たり、体験できれば充実感がある。今回の参加者には20代から30代の旅行会社やランドオペレーターのスタッフの参加が多く、「忙しくて休みが取れないが、旅行は行きたいという気持ちはまさに同調できる」「シニアには向かないが、自分達の世代には、ぴったりとはまる」と、販売への自信を深めていた。
CIによると、正式に統計をとっていないものの、10月の販売以来、順調に推移しており、商品が増えればその分伸びていくと期待している。国内旅行感覚で週末は温泉代わりに台北でグルメやエステを楽しむ、そんな台湾の楽しみ方が市場に浸透するのも、先の話ではないかもしれない。
その際、もっと旅行目的に落とし込んだ企画も考えられるのではないか。今回は台北観光のハイライトを訪れる内容であったが、例えば1泊2日ツアーのターゲットとなる年代の女性向けに、エステやマッサージ、茶藝館を訪れる「癒し」をテーマにしたツアーや、台湾で中国料理を制覇するようなグルメの食べ歩きツアー、人気の台湾ドラマをテーマにしたのもいいだろう。1泊2日だからこそツアー目的にどっぷり浸かっても間伸びしないし、それが台湾ファンの造成とリピーターの呼び込みに繋がるように思える。
◆ツアー体験 1日目:午後
昼食は本場の中華、有名スポットをまわり大満足
1泊2日のツアーでは、成田を午前9時40分に出発するCI107便を利用。約4時間のフライトで午後12時30分に台湾桃園国際空港へ到着する。台北市内へは空港から車で約1時間。市内でランチを食べることが可能な時間帯だ。
ツアー内容は各コースによって異なるが、観光付きが基本で、まったくのフリープランはまだない。今回のツアーでは、1日目のうちに台北観光の定番である半日の市街観光を実施。「行天宮」「占い横丁」「民主紀念館」「総督府」「国父紀念館」「台北101」を訪れたが、たいていは3ヶ所から5ヶ所くらいの観光が可能だ。台北の通常のツアーでも市街観光が半日というケースが多く、1泊2日だから駆け足で済ませるという気はしない。各観光地への移動が平均30分という、見どころがコンパクトに点在する台北だから実現できることだ。
最後の観光スポット「台北101」に到着したのは午後5時30分で、ちょうど夕暮れ時。ぜひ世界一高いビル台北101の展望台まで上がることを勧めたい。淡いワインレッドの空に街のネオンやビルの光がともりはじめる黄昏時の景観は、女性でなくとも心を動かせられるものがあるだろう。このエリアは台北の流行の発信地で、まるで横浜のみなとみらい地区のような雰囲気。映画館や最先端のデパート、ショッピングモールが並び、付近では週末ともなれば各種イベントが開催される。取材時はクリスマス時期ということもあり、市民によるゴスペルコンサートが開催され、多くの人々で賑わっていた。
◆ツアー体験 1日目:夕食後
24時間オープンの街・夕食後の楽しみもいっぱい
従来から台湾旅行の目的となっているのが、ショッピング、グルメ、マッサージ。これらは夕刻後から楽しむのにぴったりだ。特に夕食にはぜひ、いろいろな味を楽しんでもらいたい。台湾はグルメ天国で、台湾料理のほか北京料理や広東料理など、中国大陸各地の料理が楽しめる。高級レストランから、庶民的な食堂や屋台で地元の人々に混じって雰囲気もろとも楽しむこともできる。一度の旅行では食べつくせず、食を求めて再び訪れるリピーターが多いほどだ。
お腹が満たされたころ、台北はまた新しい表情を見せる。台北名物、「夜市」だ。市内には5ヶ所以上の夜市があり、なかでも「士林夜市」が最もにぎわう。1キロの道に露店が並び、店の数も集まる人の数も台北ナンバー1の規模。歩くのも一苦労なくらいに込み合っており、エネルギッシュな台北の姿を見ることができる。日用雑貨やアクセサリー、ファッション、小物、お土産など、何でもそろう。歩き疲れたら食べ物の屋台で、フルーツやマンゴーアイスを食べて休憩し、再び喧騒の中へ。たいていは午後9時ごろから午前1時まで開いているが、MRTは午前0時まで。時間配分には気をつけたい。
普通ならこれでホテルに戻ることが多いが、限られた時間は有効に使いたい。かといって、1日中観光した後で、体力的にもかなりの強行だ。そこで勧めたいのがマッサージ。市内には24時間営業のマッサージ店も多く、この時間からでも十分に間に合う。日本客に慣れていて対応がスムーズな上、日本円で支払える店も多い。全身から頭皮、足裏まで種類が豊富で、予算は90分で1500元(5250円)ほど。強行日程の疲れを取り、明日へ活力にも繋がる、一石二鳥の体験だ。
◆2日目:
足を延ばして郊外へ。市内から1時間以内でアクセス可能
台北の1泊2日ツアーでは、2日目は自由行動とする旅程が多い。女性はホテル内のエステやマッサージ、男性は買い物がてら故宮博物院や動物園などの観光、若者は台湾の渋谷や原宿的な街・西門でのショッピングなどをすることが多いが、たいてい台北市内からあまり離れないようだ。
しかしせっかく来たら、もう少し足を延ばして、台北とは違う観光を楽しみたい。台北の周囲にはそれらを満たすスポットが豊富だ。例えば市街から車で約30分程度の「新北投温泉」には、大小20軒の温泉宿が点在する。実は台湾も日本と同様に温泉が多く、台湾の人々にとっても人気の観光素材。観光客の多くは台湾人で、人気が高いことがうかがえる。一時は日本からの観光客も多かったが、最近は日本でのピーアールをやめていたことから日本人が少なく、穴場的な雰囲気だ。日本統治時代に温泉街として栄えたこともあり、日本風の建物が多いのも面白い。
また、台北からMRTで約35分のところにある淡水もお勧め。淡水川の河口に開けた漁村で、街並みの雰囲気が台北市街とはまたガラリと変わる。古びた素朴な建物が多く、20年から30年前の台北はこんな感じではなかったか、と思わせる。潮の香りが漂う街には土産物を扱う店や魚介類を素材にする屋台、魚のかご売りなどの風景が見られ、週末になると多くの人が行き交い、活気がある。アジアの古い街並みを歩いているような、そんな異国情緒を感じつつも、午後1時に市街から空港へ移動し、日本へ。お土産やお昼ごはんを忘れていたら、空港の免税店やレストランを利用したい。
チャイナエアライン、サービスを向上
チャイナエアライン(CI)は2007年12月15日か
ら、更なるサービスの向上をはかる。日本発台
湾線では札幌と沖縄線をのぞき、カップアイス
の提供を開始した。また、ファーストクラスと
ビジネスでは、以前提供して好評だった「お
粥」のサービスを再開。高級ウーロン茶「高山
茶」の提供も開始し、機内から台湾らしさの演
出をはかる。