観光活性化フォーラム
観光活性化フォーラム

国交省、飛鳥IIの煙突火災で通達発出−郵船クルーズは再発防止策を提示

  • 2007年12月12日
 国土交通省は12月10日、出港直前の大型旅客船の煙突上部から出火した事故の発生を踏まえ、再発防止を目的に注意喚起をおこなう通達を発出した。あて先は日本船主協会、日本外航客船協会(JOPA)、日本旅客船協会、日本内航海運組合総連合会の船主団体と、各地方運輸局で、船主団体には事故の原因説明ともに、安全確保に向けた再発防止に努めるよう、傘下事業者への周知徹底を求めている。

 煙突火災が発生したのは、晴海ふ頭に停泊中の飛鳥IIで、10日東京発、11日神戸入港の「Xmas 東京・神戸湾ワンナイトクルーズ」出港前のことであった。原因は、出港準備中に稼動した主発電機やボイラーの煙突から飛んだ火の粉が、煙突上部の可燃物に付着し、発火した可能性が高いという。可燃物は、未燃焼物(ススなど)と思われ、郵船クルーズでは、直前の航海が2泊3日の無寄港クルーズで低速運転の航海であったため、通常は空中に飛散するススが堆積したと考えている。そのため同社では今後、煙突周りの点検を、現状の1.5ヶ月に1度の割合から頻度を上げることを検討するとともに、低速航海後にも同点検を行なうこととしたと、発表した。

 なお、同社では出火の当日、鎮火後の出港時に船長から乗客に向けて船内放送で説明。出港時間が当初より2時間、神戸入港時間が30分の遅延となったが、船内スケジュールなどは通常通りで、事故を原因に下船した人はいなかったという。