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現地レポート:マリアナその1

  • 2007年11月8日
逆風を機にアップグレード、マリアナ旅行の受け皿作りが進行
〜大阪/サイパン線の復便に期待


2007年12月21日、15ヶ月ぶりにノースウエスト航空(NW)の大阪便が再就航する。現在、成田、中部からNWが直行便をデイリー運航しているが、これに関西線が加われば、日本の主要3都市からサイパンへ直行便が結ばれ、マリアナの観光がにわかに活気づくだろう。10月22日から25日の日程で実施された「マリアナ・ツーリズム・アカデミー(MTA)」では現地が、現在の逆風を旅行客を迎えるための準備をする好機と捉え、一致団結する強い姿勢が感じられた。(取材協力:マリアナ政府観光局、ノースウエスト航空、コンチネンタル航空)


成田発の機内はいっぱい、好機を活かす施策展開へ

今回搭乗した成田発NW便は、若者層を中心にほぼ満席。サイパンを旅行したいという消費者の意欲を改めて実感した。MTAのセミナー会場で挨拶したマリアナ政府観光局(MVA)ペリー・テノリオ局長も、日本人渡航者数減少について「直行便の減少が第1の理由」と述べ、NWの関西線復便を歓迎している。この好機にMVAでは様々なプロモーションを予定。2007年度の追加予算200万ドルのうち、日本向けに100万ドルを確保し、日本発の就航便の旅客数を維持、増加させるために、「交通広告」「旅行会社との共同キャンペーン」「研修旅行」「業界セミナー」など、「安定したロードファクターを定着させる」(テノリオ局長)施策を展開する予定だ。

その1つが、成田線以外の発地からの需要増加策。シーズナリティをなくすため、冬期は団体キャンペーンを展開するほか、クリスマス期間には、11歳の子供全員に「サイパンだ!リュック」をプレゼントする。また、1月には27回を数える「サイパンマラソン」が開催されることから、島内のスポーツイベントも利用し誘客を図る考えだ。特に「サイパンマラソン」に関しては関西線の復便にあわせ、特に大阪地区での露出を増加。「テレビタイアップ」企画も検討して
いる。既にタレントの大櫛エリカさんのハーフマラソン出場が決定したほか、間寛平さんの起用も調整中だ。年末年始にはNWや日本航空(JL)、コンチネンタル航空(CO)などが札幌、仙台、羽田、名古屋、関西から12本のチャーター便を運航する予定で、日本全国から多くの旅行者を送客する準備が整いつつある。

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リノベーションや美化計画などでイメージ向上

旅行者数が減少したデスティネーションは多くの場合、観光産業の活気が乏しくなり、その雰囲気は現地での滞在中、そこはかとなく伝わるものだ。しかし、今回の訪問で感じられたのは、現地が出来る範囲の施策を進め、旅行者が戻ったときに少しでもよい印象になるよう改善しようという意欲だ。

その代表例が、サイパン空港の美化計画だ。到着時からリゾート気分を味わってもらおうとしたもので、空港内のサインボードはマリアナの海と空を思わせる水色と白のデザインに統一。空港の壁もカラフルにペイントし、エコツーリズム、スポーツ、歴史・文化などマリアナの魅力あふれる写真を飾り、次回のサイパン旅行をも促すねらい。この計画は進行中で、空港全体に行き届いているわけではないが、10月15日にはNWの協力によるキッズスペース「こども広場」が設置され、今後もスポンサーを募りながら、地道に改善していく予定だという。

このほか、ガラパン地区も整備し、パセオ・デ・マリアナ(ココナッツ広場)が作られ、美化が推進された。さらに周辺での客引きや呼び込みを規制し、安心して楽しめる環境作りに配慮している。植樹や建物のデザインに統一感を持たせる計画もあり、現状でも歩きやすく、明るい雰囲気となっている。また、ビーチ沿いの遊歩道も整備する予定で、完成すれば従来よりも快適な観光が楽しめるようになるだろう。ひとりでも多くの人にサイパンに来てもらい、良い思い出を作って好きになってもらえるように、という現地の熱意が伝わってくる。

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