国土交通省、重点政策にアジア・ゲートウェイ構想と観光立国の実現を指定

  • 2007年8月13日
 国土交通省は8月10日、「これからの重点政策」を取りまとめ、旅行業関連でアジア・ゲートウェイ構想と観光立国の実現を目指す政策を打ち出した。昨年度まで「重点施策」としていたが、「強い意志を持って取り組む」ことを表すために、「政策」に変更したという。

 昨年度は国際競争力の強化や観光立国などを前面に打ち出しており、今年度も方向性は同じだ。ただし、昨年度は経済活性化を意識したが、今年度は「本格的な人口減少や高齢化」、「地球環境問題の深刻化」、「急速な経済のグローバル化」、「環境や美しさの重視」などの要因から、現在が「歴史的な転換期」であると認識、「次の世代に引き継ぐ国土づくり・くらしづくり」をテーマとしている。

 このうち観光立国については、「歴史、文化等に根ざした美しい国土づくりと観光交流の拡大」を目標に、「歴史文化などを活かした国土づくりの推進」と「わが国の魅力の増進による観光立国の実現」を掲げた。具体的には、貴重な歴史的資産を含む地域の環境の保全と整備に関する制度の創設や、美しく魅力ある国土づくりと地域づくりを念頭に置いた社会資本整備、観光立国推進基本計画の目標達成に向けた施策推進と体制整備、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成と国際観光交流の拡大に向けた制度の創設を目指す。

 アジア・ゲートウェイ構想の実現に向けて、「人流・物流システムの構築」を掲げている。具体的には、大都市圏拠点空港やそのアクセス道路、鉄道の整備、航空自由化の推進、国際拠点空港などの適切な空港運営のための新たな制度構築などで、国際空港の機能向上と、アジア各国を中心とした国際航空ネットワークの充実を目指す。