世界遺産、22件が新規登録−オマーンの動物保護区が初の認定取り消し

  • 2007年7月4日
 国連教育科学委員会(UNESCO)の世界遺産委員会は6月29日、ニュージーランドのクライストチャーチで開催していた会議の結果、今年の新規登録分の22件をとりまとめた。このうち、文化遺産では、1826年に作られ、オタワとキングストンの間の202キロメートルをつなぎ、現在も運用されるカナダの「リドー運河」、建築の形状と構造デザインに創造性と革新性をもたらした20世紀の偉大な建築とされるオーストラリアの「シドニー・オペラ・ハウス」など16件が選出。自然遺産はスペインの「テイデ国立公園」など5件、複合遺産はガボンの「ロペ・オカンダの生態系と残存する文化的景観」の1件で、日本からは「石見銀山とその文化的景観」が文化遺産として登録された。

 また今回は世界遺産の35年の歴史で初めて、オマーンのアラビアオリックス保護区に対して、世界遺産の認定取り消しを決定した。この理由は、オマーン政府が世界遺産認定のガイドラインに反して保護の対象面積を90%に縮小したため。また今回は、1件の認定内容変更、2件の新規危機遺産の指定、4件の危機遺産指定の除外を実施している。新規登録を含めた詳細は下記を参照のこと。


▽新規登録(登録種別/国名/登録遺産) リスト(エクセル版
文化/フランス/Bordeaux, Port of the Moon
文化/メキシコ/Central University City Campus of the Universidad Nacional Autonoma de Mexico (UNAM)
文化/セルビア/Gamzigrad-Romuliana, Palace of Galerius
文化/アゼルバイジャン/Gobustan Rock Art Cultural Landscape
文化/日本/Iwami Ginzan Silver Mine and its Cultural Landscape
文化/中国/Kaiping Diaolou and Villages
文化/スイス/Lavaux, Vineyard Terraces
文化/ボスニア・ヘルツェゴビナ/Mehmed Pasa Sokolovic Bridge in Visegrad
文化/ギリシャ/Old Town of Corfu
文化/トルクメニスタン/Parthian Fortresses of Nisa
文化/インド/Red Fort Complex
文化/南アフリカ/Richtersveld Cultural and Botanical Landscape
文化/カナダ/Rideau Canal
文化/オーストラリア/Sydney Opera House
文化/ナミビア/Twyfelfontein or /Ui-//aes
文化・危機/イラク/Samarra Archaeological City

自然/韓国/Jeju Volcanic Island and Lava Tubes
自然/スロバキア・ウクライナ/Primeval Beech Forests of the Carpathians
自然/マダガスカル/Rainforests of the Atsinanana
自然/中国/South China Karst
自然/スペイン/Teide National Park

複合/ガボン/Ecosystem and Relict Cultural Landscape of Lope-Okanda


▽変更(変更内容/国名/登録遺産)
認定取消/オマーン/Oman's Arabian Oryx Sanctuary
認定範囲拡大/スイス/Jungfrau-Aletsch-Bietschhorn

▽危機遺産関連(変更内容/国名/登録遺産)
危機指定/エクアドル/Galapagos
危機指定/セネガル/Niokolo-Koba National Park
危機指定除外/アメリカ/Everglades National Park
危機指定除外/ホンジュラス/Rio Platano Biosphere Reserve
危機指定除外/ベナン/Royal Palaces of Abomey
危機指定除外/ネパール/Kathmandu Valley