ハワイ州・リングル知事、観光施策で「クオリティ・オブ・ライフ」を重視

  • 2007年6月19日
 ハワイ州知事のリンダ・リングル氏が来日、ハワイの住民、訪問者ともに質を重視した各種の政策に取り組んでいるとし、「クオリティ・オブ・ライフ」が重要であることを強調した。旅行業界関係者との懇談会「フォーカス・グループ・セッション」で、知事と日本の旅行会社、航空会社が日本人のハワイ旅行の市場動向について意見交換をした際に発言したもの。

 リングル知事はクオリティの側面から現在、ハワイで進めている観光施策のうち、空港のリノベーションと新禁煙法について説明。空港では特に、ホノルル空港で入国審査場への移動途中でウィキ・ウィキ・バスを利用が無くなることについて「これまで何度も言ってきたことで、改善すべき点」と語り、もっとも重要度の高い事業として進めることを強調。これにより、日本人の旅行者が到着した際、イミグレーションまでスムーズに移動ができ、歓迎する体制を整えたいという。

 また、禁煙法(Healthy Air & Workplaces Law)については、日本での報道などを受けて「明確に伝えていく必要があった」と知事自身が対応について陳謝。ただし、法律としてはハワイの住民、訪問者ともに、世界的な禁煙化への流れの中、受動喫煙を防ぐ狙いがあることを説明。また、自身が過去にメディアに在籍した経験から「メディアは面白いことを早く伝えるもの」とした上で、「これから私自身がきちんと話しをしていきたい」と語り、ハワイでの喫煙の状況などについて説明をしていく考えを示した。これらの施策を着実に実行することで、「以前から指摘してきた課題」という出席者からの指摘に答え、知事は「同じ課題を取り上げるのではなく、進捗の話しをしていきたい」と今後に対しての期待感を示した。

 このほか、出席した旅行会社から、「ハワイは日本人を歓迎していないのでは」という疑問に対しては、ハワイ・ツーリズム・オーソリティー(HTA)CEOのレックス・D.ジョンソン氏などが「アジアとの競争を意識しつつ、安全性やアトラクションの豊富さなどをアピールしていく。ぜひ、協力を」と呼びかける場面もあった。ただし、ユナイテッド航空(UA)太平洋地区副社長のマーク・シュワブ氏は「アメリカへの訪問者数の全体が伸び悩んでおり、アメリカが旅行先としてフレンドリーでないというイメージがハワイにも影響しているのではないか」と投げかけ、連邦政府の協力が必要であるとして、旅行業界として協同で働きかけそするよう協力を求めた。


▽参考記事
ハワイ、ホノルル空港など4島5空港で施設をアップグレードへ(2006.03.30)

ハワイ、禁煙法で新たに対策−喫煙エリア表示の改善周知と携帯灰皿配布へ(2007.06.05)