NAA、次期社長には民間出身として上場への手腕期待−遅くとも09年に上場を

  • 2007年6月4日
 成田国際空港(NAA)常務取締役の上子道雄氏は6月1日の定例記者会見で、次期社長に内定している森中小三郎氏について、民間での経験をNAAの株式公開に活かしてほしいと語った。また、平行滑走路の2500メートルへの延伸や年間発着回数の22万回への拡大などの目標について、不可欠である地元対策を含め、成田国際空港の歴史的な経緯を理解した上で森中氏に説明を行っていくという。

 株式公開のタイミングについては、NAAとしては遅くとも2009年度までに実現したいものの、最終的には政府が市況を考慮し決断するもの。その際の売却益については、「なにかを申し上げる立場ではない」と前置きした上で、「地方空港などの国際競争力向上などに費やされるのが望ましいのではないか」という考えを述べた。

 またアジア・ゲートウェイ構想については、規制改革会議や経済諮問会議、国土交通省交通政策審議会の分科会などが導き出す方向性に沿って、国交省と共にその具体化を進めていくことが基本姿勢であると説明、どのような方向性となるにしても滑走路や発着回数などの容量の拡大は必須であると強調した。


▽4月の国際線旅客数は前年同−5月の速報値もやや低調な展開

 成田国際空港の4月の国際線旅客数は前年並みの267万8949人で、日本人旅客が1%減の137万4186人、外国人客が前年比4%増で81万5463人であった。この動向について上子氏は、日本人客はゴールデンウィークの日並び、外国人客はビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)や円安などが要因。5月26日現在の旅客数動向は前年比3%減で推移。これについては同じくゴールデンウィークの日並びとサーチャージの値上げなどの理由を挙げた。