ジャパン・エキスプレス、旅行とホテルで480億円−イン・アウトに取り組み

  • 2007年5月30日
 ジャパン・エキスプレスは、店舗を200店、宿泊施設を20軒保有し、インバウンドとアウトバウンドの両方に対応するツー・ウェイ・ツーリズムを展開し、売上高4億ドル(約480億円)の達成を目指す。ジャパン・エキスプレスはアジア圏を中心にイギリス、カナダ、アメリカなどで、旅行業やホスピタリティ業、クレジットカードなどの事業を展開するエキスプレス・グループ社の日本支社。

 世界で5000店舗の出店を目指す同グループの中で、国内の出店目標は200店舗。現在、世界で15店舗を運営しており、これをパイロット店舗として、今後の展開に活かしていくという。また、国内では東京と大阪に支店を持つ日本交通観光、札幌の牧野航空旅行の3店舗があるという。今後の展開は、2年から3年以内に資本提携、業務提携、M&Aなどで拡大する考え。方法としては、首都圏や関西、政令指定都市などに中核となる店舗を設けてから、その周りにより小さな店舗を配置していくイメージをしており、いわゆる「ハブ・アンド・スポーク」のような展開を目指していく。M&Aの対象とする旅行業者は、信用と認知度の獲得の必要から、各地域の中堅クラスであると説明した。

 ホテルはハミルトン札幌、ホテルプラザ宮崎、那須塩原の旅館の会津屋と3軒を保有しており、それ以外にも数軒について交渉中であるという。具体的には熱海や箱根、ニセコ、富良野、九州各地などが候補に挙がっているという。

 同社はグループのネットワークを活用し、特に中国からの送客増加を狙い、インバウンド市場にも力点を置く。グループ会長のファン・ヘン・ハイ氏は「ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の流れを有効に活用したい」と意欲を見せ、ジャパン・エキスプレス代表取締役社長の大山真博氏も、「店舗数を増加させることで、同社のクレジットカードやポイントカードの利用者へのヘルプデスクとして対応させる」というプランを明かした。

 約480億円の売上目標について、このうちの約90%が旅行業によるものになると想定。日本交通観光と牧野航空旅行などで既にある程度の規模には達していると言い、今後のM&Aによる規模の拡大と、アウトバウンドとインバウンドの強化で達成する構えだ。

 なお、インターネット関連では具体的には未定であるとしながら、グループ会社が開発するホテル予約エンジンを使った展開も視野に入れ、将来的にはダイナミック・パッケージの展開も視野に入れているという。

▽日本交通観光
http://www.nikkokan.co.jp/
▽牧野航空旅行
http://www.makinospk.com/