エストニア政観、独自の観光資源でアピール−年内に1万人を目指す

  • 2007年5月30日
 エストニア政府観光局長のタルモ・ムッツォ氏が来日、先ごろ天皇陛下の訪問に関して「両陛下は3000人の合唱(エストニアの独立に由来するアイデンティティ)や旧市街に感動され、エストニア国民の歓迎とあわせて良い交流を持つことができた」と高く評価し、今後の日本人観光客の訪問に期待を示した。これを受け、日本支局長の山口功作氏は2007年の日本人宿泊者数では1万人の達成を目指すと語った。

 エストニアでは日本市場について、送客数だけでなく、旅行の質の高さを求めているという認識。特に、タリンの地理的な場所から、旅行各社に対して多くのルートが組めると提案、旅行会社との連携を蜜にしながら商品の造成につなげたい考え。

 エストニアの観光素材では海泥を使用したトリートメント、領主の屋敷を改装したマナーハウスでの宿泊、バレエやオペラ、毛糸やろうそくなどの手工芸体験を紹介。例えば海泥は、ミネラル分を豊富に含み美容効果が高く、バレエ、オペラも旧ソ連時代に高度なレベルに達した芸術家たちが出演するものを、3000円程度の手頃な価格で観ることが可能だという。

 日本人宿泊者数は2006年に8093人となり、1998年の3501人、2001年の6907人と比較して顕著な伸び。女性が全体の70%を占め、年齢別では60代以上が多いという。このところは、30代から40代の女性旅行客も順調に伸びているとしており、今後はこのセグメントを重要なターゲットの一つとして捉えていく。

 また、宿泊施設が予約しにくいという指摘に対し、宿泊施設数が増加しているとも言及。2005年の784軒が、2006年に951軒と約170軒が増加しているという。今年に入ってからも、4ッ星以上のホテルが既に2軒開業しており、1軒が開業予定だという。

 なお、エストニア政府観光局はJATA世界旅行博に、バルト諸国として共同で出展、消費者向けにプロモーションをしていくという。

※表記に一部、誤りがありました。訂正すると共にお詫びいたします(編集部:5月30日20時)