GVB局長、5ヶ年計画で日本人120万人を目標、来年度予算は15%増要請

  • 2007年5月25日
 グアム政府観光局(GVB)局長のジェラルド・S.A.ペレズ氏は、このほど決定したGVB5ヶ年計画を発表、5年後にはグアムへの観光客数を現在の約120万人から25%増の150万人とする目標を定め、そのうちの日本人旅行者数の目標は全体の78%から80%のシェアとなる約120万人を狙う考えを示した。ペレズ氏はホテルの拡充、質の向上が順調に進んでいることから、5ヶ年計画では特にソフト面の強化を打ち出す考え。現地イベントの拡大による観光客と現地の人々との交流拡大、日本を筆頭とする主要マーケットでのマーケティング活動の推進、旅行者へのサービスの拡充だ。例えば、空港での入国審査は米国政府、税関はグアム州政府管轄であることから、入国審査に掛かる時間など、利便性の向上は一朝一夕で解決できるものではないが、引き続きスムーズに入国できる措置を要請していく。そのほか、5ヶ年計画ではグアム博物館、小規模MICE団体の受入センターの開設、スペイン広場の修復、クルーズ誘致策なども盛り込んでいる。

 また、2008年度(2007年10月〜2008年9月)の日本向け予算について、GVBとして現在、2007度比15%増程度を要望しているという。2006年の韓国、台湾、北米からの合計の訪問者数が前年比7%と上昇した一方、日本人訪問者数は4%減となったが、韓国、台湾、北米向け予算は07年度と同率で要請する。ただし、「今後は日本市場以外のマーケットの訪問者数の拡大も大切と考えている」と説明している。

 ペレズ氏は、「(日本の)アウトバンドが伸びている訳ではない。一方、ベトナム、ブルガリア、クロアチアなどの新たなデスティネーションなど、日本人の注目を集めつつあるマーケットもある。この状況において、日本人にこれまで以上にグアムを伝えるためには予算を増やすことが必要」とコメント。予算の増額が承認された場合、グアムが日本から近いデスティネーションであるアピールの機会を増やすほか、注目マーケットとして掲げるシニア・団塊世代に向けて、同世代がグアムにハネムーンで訪れた時とは現在は全く異なり、魅力が増していることをアピールしていく。

 日本市場の現在の動向については、「2006年上期に苦戦、その後の夏場は好調だったものの、下期にまた難しい時期を迎え、チャレンジングな時期にある」と語り、今後の見通しも低迷する懸念を示している。この数年、日本人訪問者数が100万人を達成っできない伸び悩みの原因について、円安傾向が海外旅行全般に影響していること、旅行会社が値ごろ感ある旅行商品を提供できない状況という分析を紹介。特に、若年層の渡航者がその影響を受け、20代、30代を中心にグアム旅行に影響が及んでいるという。

 5ヶ年計画では150万人、GVB日本局長の光森氏も語る日本人訪問者数100万人の達成に向けて、ウェディング、団塊・シニア、団体マーケットへのプロモーションを積極的に展開することを明示。ペレズ氏は日本マーケットでのマーケティング戦略の基、グアム観光業40周年である今年、需要拡大に期待を寄せている。