観光活性化フォーラム
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OTOA、「BSP決済」と同様のスキームを検討−業界内取引の健全化検討の一環

  • 2007年5月25日
 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)はオペレーターと旅行会社間の業界内取引の改善策として、第三者機関を活用した早期資金化策の導入を検討していたことを明らかにした。ただし、昨年8月に説明会を開催したものの、参加社が29社と少なかったこと、検討した案について会員各社の総意を得られず、現在はいったん棚上げとなっている。OTOAでは会員各社141社に対し、旅行会社との取引状況をはじめ、OTOAの協会運営、平成18年度決算の状況、現地のバス利用等の定期的な安全点検の実施状況など幅広い観点から「取引実態調査」のアンケートを実施。114社から回答を得ており、このアンケートを基に、各社の考え方を取り入れながら、業界内取引に関する今後の対応へとつなげていく。

 OTOAが案としていた業界内取引の改善策は、旅行会社と航空会社の取引で活用している「BSP決済」と同じようなスキームを検討していた。オペレーターから旅行会社に対して請求書を発行し、第三者機関にも請求書の発行と同時に情報が流れ、第三者機関から資金が支払われるもの。旅行会社は支払い期日までに第三者機関に支払いを済ませる、という流れだ。このメリットとしては、旅行会社側がこれまでの商慣習である後払いを継続でき、オペレーターとしてはキャッシュフローの大幅な改善が見込めること。ただし、OTOA会員としては、BSP決済の運営と同様にシステムの初期投資や運営の経費が必要なことから、コスト増につながるというデメリットもある。このような「案」を検討した背景には、中国をはじめ世界各地での旅行ブームにより、現金決済が進むことで、日本向けの仕入れが難しくなっていることもあげられる。

 OTOAでは会員企業に実施したアンケートに加え、東京では定例会においてヒアリングも実施。今後、この調査結果をまとめた上で、日本旅行業協会(JATA)など関係団体と具体的な検討をしたい考えだ。