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成田空港、09年まで積極投資−10年以降は拡大再生産へ

  • 2007年5月16日
 成田国際空港(NAA)は昨年公表した中期経営計画「Newステージ2010」の経営目標で、連結営業利益を2010年に2000億円としていた当初目標を2100億円と引き上げる。連結営業利益も新たに設定し350億円(当初:単体で380億円)、連結ROAは初めて設定し、3.3%とした。06年度の純利益117億円から07年度は54億円と減少するが、「これを底に拡大再生産」という計画を描いている。営業利益の100億円の増収分は、空港内での販売などリテール事業が好調なことから、新たな目標として収益の増加を目指す。

 投資計画は、2010年までに合計4000億円を予定。このうち平行滑走路の2500メートル化など、能力増強による空港基本機能の充実に1200億円、インラインスクリーニングの整備など安全性や空港保安に900億円、成田新高速鉄道の整備やエアバスA380アッパーデッキの対応など1900億円を計画している。都心から成田空港へのアクセス改善が期待される鉄道については現在、地下駅の増設工事をしており、約1200億円の事業費となる。こうした投資計画は「2009年が山」で、これ以降は投資分の増収を見込む時期に移行していく。

 2007年度については第1旅客ターミナル北ウイング、第2旅客ターミナルビルでインラインスクリーニング方式の導入を進め、約75億円の予算で2008年度の稼動を目指す。このほか、2008年にエアバスA380型機の就航が予定されていることに合わせ、アッパーデッキ対応等状況を整備するほか、空港内のバリアフリー化を推進する。また、NAA本社ビルが移転したが、このビルの解体と跡地に駐車場を整備する事業で約10億円を予定している。

 なお、2007年度の見通しでは航空旅客数は2.1%増の3608万7000人、航空機発着回数は1.9%増の1億9427万7000回としている。