成田空港、07年3月期決算は増収減益−ナカミセ開業でリテールは大幅な伸び

  • 2007年5月16日
 成田国際空港(NAA)の2007年3月期(2006年4月1日〜2007年3月31日)連結決算は営業収益が7.6%増の1843億円、営業利益は20.5%減の333億円、経常利益は25.7%減の238億円、当期純利益は20.5%減の117億円となった。営業収益は国内線の未利用枠の活用で冬ダイヤから増収へ向いたものの、年間通じた着陸料の料金改定の影響を受け、21億円の減収。ただし、第1旅客ターミナル南ウイングの供用開始に伴う商業施設「narita nakamise」の開業で、リテール事業は大きく収入を伸ばし、前年比55.4%増の381億6700万円となり、増収額は136億円と空港運営事業での減収要因を補う形となった。配当については、大株主である政府との調整中という理由から、金額などについては決定していないものの、「上場企業と同様に配当する方針」(黒野社長)だ。

 なお、2007年度は営業収益1989億円、営業利益257億円、経常利益154億円、当期純利益は54億円の見込み。第2旅客ターミナルのリテール事業「ナリタ5番街」をはじめ、冬ダイヤから国内線未利用枠の国際線活用が通年化するなどで増収となるものの、新施設のオープンによる人件費、物件費の増加などで減益する見通し。なお、平行滑走路北伸工事、成田伸高速鉄道整備工事など既存設備の除却損による特別損失の計上で、純利益も減額する見通しだ。