オリエンタルランド、価値観の多様化、少子高齢化の対応強化−中期経営計画で

  • 2007年5月10日
 オリエンタルランドは今後4年間、コア事業の東京ディズニーリゾート(TDR)の強化と新たな成長基盤の確立、グループ価値の向上の3点を基本方針として、安定した経営基盤の確立と更なる感動の創造を目指す。同社では現在の経営環境について、価値観の多様化や少子高齢化に伴う顧客の変化、および雇用環境の変化など、日本の構造的な問題により難しい局面にあると捉える。

 そこで同社では2011年3月期までの中期経営計画「イノベート・OLC 2010」を策定。この中でコア事業ではゲストのパーク体験の向上のため、従業員満足向上を強化をする。また「東京ディズニーランドホテル」「シルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場」の開業など、ソフトとハードの両面から体験価値の向上を図る。新たな成長基盤の確立としては、TDRに続く事業として同社の企業使命である「夢、感動、よろこび、やすらぎ」を提供する「空間」を創造する事業の研究・開発に着手する。ディズニー社との「都市型エンターテイメント施設」プロジェクトは本格的に事業化を目指し、2010年以降に関東圏以外の大都市部での開設を図るほか、ディズニーブランドを使用しない事業も模索する。これにより、2011年3月期には当期純利益で07年3月比で65.6%増となる270億円レベルの過去最高益を目指す。


▽平成18年の純利益3.9%増も、来期は減益を予想

 なお、同社の平成18年4月1日から平成19年3月31日の決算は、売上高が3.4%増の3440億8200万円、営業利益が11.5%増の341億1000万円で、当期純利益は3.9%増の163億900万円であった。ただし、2008年3月期の見通しは、テーマパーク事業の入園者数の増減や税法改正に伴う減価償却費の増加により、売上高が0.6%減の3421億6000万円、営業利益は15%減の289億9000万円、当期純利益は10.2%減の146億5000万円と予想している。