京町屋を短期賃貸契約で滞在可能に、宿泊産業活性化に向けたモデル事業で

  • 2007年3月1日
 国土交通省は宿泊産業活性化のための新たな取り組みとして全国8地域を選定し、「宿泊産業活性化に向けたモデル事業」を推進する。この対象地域に選出された京都市で町家の活用に向けたモデル事業として、「京都町家ステイ」の実証実験を行なう。

 対象施設は株式会社庵(いおり)が運営する京町家6軒。町家での宿泊サービスを促進するには、広い販路を持つ旅行業者との連携が効果的であるものの、火災法や宿泊業法などの観点から、旅行業者が町家を取扱うことができなかった。今回の実証実験では旅行業界からJTB首都圏が参加し、宅地建物取引業法の下、庵とJTB首都圏が賃貸契約を結び、JTBが大家として旅行者と賃貸借契約書を交わす形式をとることで、旅行会社での取扱を可能にした。実証実験の実施にあたり、3月末までモニターツアー参加者を100名募集する。通常は1泊1人6000円からのところ、今回は1泊目を5000円割引で提供する。

 庵では2005年から「暮らすように旅する」コンセプトで京町家での宿泊提供を開始。宿泊者への料理、清掃などのサービスも手配している。庵の代表取締役・梶浦秀樹氏は今回の取り組みについて、「古い民家を活用し、地域の文化に触れる体験やエコツーリズムなどの需要は多い。地元が主体となり、庵が支援する、その出口戦略としても期待している」と同社のメリットを語った。今回の実証実験で問題がなければ、4月以降も継続する意向だ。