観光活性化フォーラム
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JTM高松氏「団塊世代はニッチの塊」多様な価値観へ対応-JATA経営フォーラム

  • 2007年3月1日
 JATA経営フォーラム2007の分科会「団塊の世代・アクティブシニアの深耕術を会得する!」の中で、ツーリズム・マーケティング研究所マーケティング事業部長の高松正人氏は、「団塊の世代を獲得するためには、団塊を追わないということではないか。団塊はニッチの塊と捉えることができる」と提言した。高松氏は分科会の中で、団塊世代の市場や価値観、それらを基にした団塊世代の今後の動きについて紹介。「旅先ですることが旅行を決める上で最も重要で、行き先選択はその次」という団塊の価値観や、退職金の使い道の一つとして旅行を訴求するためには、団塊世代という枠を取り払った発想で旅行のおもしろさを提案する重要性などを紹介した。

 会場では活発に質問が寄せられ、団塊世代の消費のピークに関する予想についての質問に高松氏は、「今年は昭和22年生まれの人が退職するだけ。ここ1年で急激な伸びを示すのではなく、じわじわと3、4年かけて増えるのではないか」とコメント。また、旅行会社としての団塊へのアプローチとしては、「退職記念旅行の取り込みがその後の団塊世代の旅行動向に結びつくと思う」と説明した。

 さらに京王百貨店の百貨店事業本部MD・店舗政策部副部長の瀬戸武氏は、中高年獲得の戦略としての取り組みを基に説明。購買行動や店頭のスタッフからの声を基に想像、行動して顧客のニーズに対応すること、団塊世代獲得には同世代を頭に入れつつも目の前の事象を最優先にして顧客分析すること、各社のオリジナル性を加えることなどを提言した。

 日産自動車市場情報室カスタマー・インサイト・スペシャリストの森島幸彦氏は、「格差社会が拡がりをみせ、『いつかは○○(※高級車)』という考え方が消えると考える。格差の異なる各層にむけた車、旅行では旅行商品を造成していくことが大事」と日産の市場調査、今後予想から、団塊世代の価値観を紹介した。


※記事中の表現を一部、訂正しました。(3月2日午前10時15分)