JATA経営フォーラム、即決即断で健全経営、価値創造産業へ

今年の特別講演は前トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社代表取締役・吉越浩一郎氏を招聘。吉澤氏は同社を19年連続で増収増益を達成し、1986年は100億円程度だった取扱額を、2005年には524億円と約5倍に引き上げたという。講演ではその理由を「即断即決経営による、徹底した市場シェアの拡大と新業態への積極的進出」とし、その秘訣として効率よく業務ができる本社体制作りの重要性を説いた。例えば、優秀な人材を採用する一方で本社勤務の人数を削減する「本社業務の効率化」や早朝会議による徹底した「情報共有」などをあげ、それぞれ具体的な手法を示した。
▽第1種の収支状況は低下、収益率は受注型企画旅行が大
また、恒例の旅行業経営分析では、05年度の第1種旅行業の営業利益率が0.3%と、1997年以降の最高値であった04年度より0.23ポイント下降。一人当たり営業利益も社員数101人から300人の中堅以外、軒並み低下し、45%減の30万4000円となった。今回の分析は特に他業界と比較したのが特徴で、営業利益率は他の卸売業と同じく低いものの、一人当たり粗利益率は受注型などの団体の取扱で数を稼げるため、高くなっている。
また、05年度は4月から旅行業法改正が改正され、旅行業の取扱が受注型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行に分かれた年である。前年度との単純比較はできないが、受注型企画旅行が導入されたことで、前年の企画手配旅行に比べ、海外が2ポイント、国内が3ポイント上昇し、手配旅行は海外が2ポイント、国内が4ポイント減少した。また、海外旅行の取扱高内訳は、募集型企画旅行が40%、受注型企画旅行が13%、手配旅行が47%となっており、粗利益率では海外募集型企画旅行が9.75%、海外受注型企画旅行が12.98%、海外手配旅行が9.16%と、受注型企画旅行の割合が大きいことが分かる。