オーストラリア政観、既存の供給量を確保へ−航空・旅行各社と協調

  • 2007年2月27日
 オーストラリア政府観光局(TA)日本局長の堀和典氏は2007年度の目標として、日本人の年間消費総額20億豪ドルの維持を掲げる。目標を訪問者数ではなく消費金額に設定した理由は、人数の変動が航空座席の供給量と密接な関係にあるためだ。昨年、オーストラリアへの日本人訪問者数は前年比5%減の65万人で、その主な要因は航空座席の供給量の減少によるもの。今後も、日本航空(JL)の関西/ブリスベン/シドニー線の週7便が運休するなど、さらなる座席数の減少も想定される。

 こうした環境において、TAは既存の供給量を守るために、直行便が就航する都市について、既存の直行便が将来的にも維持される活動に集中する。具体的には、オーストラリアの話題を喚起させ、今年7月以降に時期と地域を絞った広告宣伝活動やキャンペーンを展開する。キャンペーンなどの具体的な活動内容は検討中だが、消費者と、主にリテールを対象とした旅行業界向けの活動を連動させる予定だ。

 直行便のない都市では、シンガポール航空(SQ)、キャセイ・パシフィック航空(CX)との協力に加え、JLのチャーター便展開を積極的に後押しすることで、航空座席数の確保を目指していく。特に、チャーター便は旅行会社と連携し、修学旅行やインセンティブへの働きかけを予定している。


▽滋賀県で「ジャパン・オーストラリア・ミッション」を開催

 TAが主催する「ジャパン・オーストラリア・ミッション(JAM)」がこのほど、滋賀県雄琴市で開催された。今年で16回を数えるが、西日本での開催は今回が初めて。現地から観光局やサプライヤーなどの55社、日本の旅行会社など54名が参加し、22日から2泊3日の日程で活発な商談会を行った。

 TAでは参加者に集中して商談できる環境を提供。堀氏は「(オーストラリアの)サプライヤーも日本とビジネスをする上で、日本の習慣や文化を学ぶ必要がある。JAMはそういったことを学べる良い機会。バイヤーの方々とも寝食を共にし、人間関係を構築し、ビジネスの良好なステップになる」と、宿泊を伴う商談会のメリットを語った。さらに堀氏は、「日本の場合、オーストラリアへの旅行の購買形態は90%が旅行会社経由。また、FIT商品もパッケージで販売したほうが日本市場での浸透が早い」と、旅行会社の重要性を強調した。