トップインタビュー:ガルーダインドネシア日本支社長 M・アリフ・ウィボウォ氏

日本就航45周年、安定的供給と需要拡大に向けて

 ガルーダインドネシア航空(GA)は今年で日本就航45周年となる。節目となる今年の動向が気になるところだが、その弾みをつけるはずの昨年は、名古屋線の運休、主要デスティネーションであるバリ以遠のジョグジャカルタへのスケジュール変更など、旅行各社の商品造成に影響が及ぶ話題も少なくなかった。今年、そして中期的な日本市場での展望をGA日本・韓国・アメリカ地区支社長のM・アリフ・ウィボウォ氏に聞いた。


−日本路線の現況、および中長期の計画は

M・アリフ・ウィボウォ氏(以下、アリフ):今年3月に日本就航45周年となる。これまで日本路線に継続して45年間に渡り展開してきたように、今後はいっそう安定的なサービスを提供していきたい。具体的には、東京路線はデイリー運航を継続すること、大阪線は週3便のところ、早期に週5便へと増便すること、名古屋線は運休中だが、夏ごろには再開できるようにしたい。

 名古屋線の運休は弊社全体で機材が不足しているため、止む無く運休したものだ。特にエアバスA330型機が限られており、これの調整をしているところだ。

 中長期的な展開としては3都市でのサービスの充実が必須だ。東京線のデイリー運航をはじめ、近々の目標である大阪の週5便、名古屋の週3便に加え、2009年には成田の発着枠が拡大にあわせて、デンパサール以外にもゲートウェイを増やし、東京/ジャカルタ線を直行便で運航したいと考えている。つまり東京からインドネシアへはデイリー・プラス・アルファを望んでいる。

 機材についてはボーイングB747-400型機、エアバスA330型機の2機材を使う。これについては今後も使用する計画であり、現在はインテリアなど内装面でリニューアルをしながら、顧客が満足する体制に整えていきたい。


−今年の旅客動向の見通しは

アリフ:今年は昨年に比べて、訪問者数も増加し、全体的に良い環境となるだろう。この端緒として、インセンティブグループがバリに戻りつつある。日本市場の主要デスティネーションであるバリで、レジャーだけでなく、グループ需要が回復する意味は大きい。今後の予約動向からすると、2月、3月は多くの日本人が訪れる見込みであり、今後の需要拡大にも期待したい。


−バリ、およびバリ以遠のデスティネーションについて、日本市場向けの戦略は

アリフ:ガルーダにとって主要なデスティネーション「バリ」は変わらない。ただし、デンパサールをハブとして、この以遠となるジョグジャカルタ、ジャカルタに足を伸ばしてもらうかが課題だ。1月上旬にはジャカルタで約50人を集客したゴルフツアーを実施した。旅行会社の協力を得て、「ガルーダ・カップ」としてゴルフ大会も開催し、盛況であった。こうした小規模な市場の需要を獲得していくことも策の一つだろう。

 このほか、リゾート滞在で人気のビンタン島はシンガポール経由が多いが、ビンタン島に近くアクセスできるバタム島へのデンバサール/バタム線を活用することも出来る。バタム島自体もリゾート滞在やゴルフをターゲットとして集客することが出来る。

 このほか、日本市場ではロンボク島への関心が高いことは認識している。これはジャカルタとの路線があるだけで、日本発のガルーダ便からはあまり利便性は良くない。しばらくは現状のままか、フェリーなどで繋いでもらうことが最善だろう。ジョグジャカルタに関しては、フライトスケジュールを組み直す。日本市場を対象に1日で観光してデンパサールに戻ることが出来るようなフライトを考えている。これに合わせて再度、プロモーションをしていく必要があるだろう。


−デスティネーション開発という点ではどうか

アリフ:インドネシアは自然、文化が多様で、かつ地理的にも広く、かつ観光資源が豊富だ。こうした中で、今年の3月、4月ごろまではインドネシアでのエコツーリズムを開発していくことに力を注いでいく。例えば、オラウータンを見るだけでなく、その生態など学習することも視野に入れたプログラムが開発できると良い。

 また、今後、検討を進めるべき課題としてクルーズがある。日本人にはバリからロンボク島へ行くのが身近だが、それ以外にもクルーズの就航地として大きな可能性を秘めている。団塊世代の大量退職による市場動向にも着目し、取り組みを考えていく必要があるだろう。アイランドホッピングは非常に魅力的な素材だ。


−顧客向けサービスでの展開は

アリフ:昨年10月に「ガルーダ・フリークエント・フライヤー」プログラムを導入した。今年はこの会員の増加と、会員に対する特典をオファーしていく。現状の登録会員のうち、既に30%から40%がリピーターの顧客となっている。今後もより頻繁にインドネシアを訪問してもらえるプログラムとしていく。

 さらに潜在的な顧客としては、弊社ホームページでeメールを登録している会員がいる。これらのメール会員はリピーターとなる潜在性も高く、出来るだけFFP会員として登録してもらいたいと考えており、その対応も行っていく。


−今後、ガルーダ航空が取組むイベントやプロモーションは

アリフ: 2008年には日本とインドネシア国交樹立50周年を迎える。これについては弊社としてもインドネシア大使館と蜜に協力し、今後、具体的な計画を詰めて行きたい。現在、私が聞いている話ではツーリズム、トレード、投資(Tourism, Trade, Investigate)で「TTI」とタグラインを設定し、主要な分野でイベントを開催するようだ。この中で、ツーリズムが重要項目に上がっており、ガルーダインドネシア航空として積極的な関与をしていく。

 このほか、弊社ではインドネシア文化観光省に協力している。例えば、昨年末には観光省からの依頼に応え、日本をはじめ他のガルーダの海外支社において、インドネシアの観光の魅力をアピールする事業に協力した。今後も観光省への協力および、ピーアール事業への取り組みは今後も続けていく。


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