カナダズ・ウエスト・マーケット、バイヤー/サプライヤーに共通の認識

  • 2006年12月6日
(特派:宮田麻未) カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州(BC)とアルバータ州で11月27日から30日の3日間、カナディアン・ロッキーのバンフ・スプリングス・ホテルでカナダズ・ウエスト・マーケット(CWM)が開催された。CWMは今年19回目を迎え、旅行関係のサプライヤーが世界各国のバイヤーを迎え、今年は285社のサプライヤーが、世界20ヶ国から180名を超えるホールセラーなど旅行会社関係者を集め、昨年から参加者数を伸ばした。

 アルバータ観光公社のマネージング・ディレクター、デレィック・コーカー氏は「日本での『KANATA(カナタ)』をはじめ、ランデブーカナダなど様々な機会を捉え、アルバータ州のサプライヤーを日本の旅行関係者の皆様にご紹介する努力をしてきた。中でも、このCWMには特別で、大手企業だけでなく、中小の会社も多く集まり、新しい、あるいはユニークなプロダクトを提案している会社と日本の方々がめぐり合えるチャンスが大きい」と意義を強調する。

 日本からカナダへの訪問者数は、11月までの累計で39万3865名。増加しているものの、911事件やSARSなどの影響から、力強さに欠けるという意見もあるのが現状だ。この状況から、「数」よりも「質や内容」、「収益率」に目を向けるバイヤーも多い。日本の旅行業界に「安売りで数をかせぐのは限界。深みがあり、ユニークなプロダクトをいかに提供するかが、問題という意識が高まっている」とBC州観光局(BCT)アジア担当セールス・マネージャーのアンソニー・リッピンデール氏は現地サイドの認識も指摘し、バイヤー/サプライヤー間の共通の課題を示す。このうち、日本からの参加者7名は、毎年、日本からの参加者が少なく、今年は変化の兆しとサプライヤー側から受け取られており、今後の商品企画にも活かされることが期待されている。


▽テーマ性のあるツアーに活用を

 BC州観光局は現在、日本マーケットにおいて「バンクーバー、ビクトリア、ウィスラー」の周遊ルートのキャンペーンを展開しているが、これは「巡る」だけではなく、それぞれの特色を生かしてテーマ性のあるツアーが期待されている。

 「BC州は今、日本で注目されている『ロハス』をテーマにした旅にぴったり」と指摘するのはBC州観光局海外マーケット担当ディレクターのカム・ロトレッジ氏。すでに、バンクーバーでヨガやオーガニックの食事などを体験するツアーも企画されている。

 この傾向はアルバータ州も同様。アルバータ州は今年、カナディアン・ロッキーを特集した日本マーケット向けの冊子を作成したが、そこで強調されていたもの「眺めるだけではなく、ゆったりとロッキーを体験しよう」というものだ。

 今回のCWMは、とりわけ日本からのバイヤーの1割以上と、日本市場の参加者が増加しており、ブースに切れ目なく訪れるサプライヤーの姿が目立った。
(掲載写真は神尾明朗、写す)