06年旅行・観光分野の国別ブランド評価、総合評価1位はオーストラリア

  • 2006年11月16日
 PRコンサルティング会社のウェーバー・シャンドウィック・ワールドワイドはこのほど、2006年の旅行・観光分野の国別ブランド評価「Country Brand Index 2006(CBI)」を発表した。これによると、総合評価で1位はオーストラリア(昨年2位)、2位は米国(昨年3位)、3位はイタリア(昨年1位)となった。オーストラリアは近代的な魅力の中にヨーロッパのライフスタイルやアジアの実用主義、米国の文化を持ち合わせていること、また旅行者の多様なニーズに応える要素を集約して国のブランドを形成していることが高く評価された。2位の米国は宿泊、飲食、アクセスの良さが評価され、3位のイタリアは管理、保存された歴史、文化遺産が強みとなり、出張者にビジネスに加え余暇でも楽しめる魅力を持ち備えることが今回の順位決定の理由となった。

 主要カテゴリー別では、独自性や特色のある文化をもつ国1位にインド、エキゾティックな国にペルー、ファミリー旅行に適した国にアメリカが選ばれたほか、ビーチリゾートに適した国にバハマ諸島、自然が美しい国にニュージーランド、ナイトライフやダイニングが充実する国にイタリアが選出された。さらに、ショッピングではアメリカ、安全な国にはカナダ、値頃感のある国にはタイ、ビジネスに適した国にはアメリカが選ばれた。日本は「芸術・文化」、「ショッピング」で5位、「ビジネス」で7位、「歴史」で9位となった。

 専門家は国のブランド構築における3つのポイントとして、(1)旅行者の多種多様な関心、ライフスタイル、嗜好に応えられる多様性を持ち合わせていること、(2)歴史的魅力、(3)五感や情緒との結びつきを挙げている。(2)については、今後の注目国として中国、インド、ベトナムを挙げているという。さらに、旅行傾向として、旅行者はウェブを通じて旅行体験者の情報を活用し、ガイドブックにない希少価値のある体験、自国を旅するのと同等の安心感や利便性を求める傾向にあるという。また、スパや健康を意識した宿泊施設、半永住を目的としたセカンドハウスといった滞在施設の利用、結婚式、記念日、同窓会、家族の記念日などをきっかけとした旅行への関心が高まっているという。