日本旅行業協会（JATA）が10月初旬、10月から12月の海外パッケージツアーの予約状況を大手5社（ジェイティービー、近畿日本ツーリスト、日本旅行、阪急交通社、ジャルパック）に調査した。これによると、ヨーロッパ方面は熟年層を中心に人気が高く、10月以降も順調に推移。特に12月のクリスマス市を組み込んだ商品造成が好調な要因の一つという。ヨーロッパ方面は10月が12.9％増、11月が12.1％増、12月が19.1％増となった。また、中国方面は航空会社の中国路線の拡大、ビジネス需要が増加。さらに、11月は祝日が3連休、4連休となり易い曜日配列から、会社によりバラつきがあるほか、前年を上回るまではいかないが、比較的好調な予約状況になっているという。全方面計では10月が2.8％減、11月が1.7％減、12月が12.3％減となった。

　また、7月から9月の取扱人数は、7月、8月の夏休み期間はファミリー層を中心に好調だったほか、台湾や香港をはじめとするアジア方面は昨年の中国方面からの振り替え先となった好調さを維持、中国方面は昨年の反日デモの影響が払拭され、複数都市を巡る周遊型商品も伸びて堅調であった。一方で9月は前年と比べて3連休が減少したことから全方面の合計で前年を割った。そのほか、アメリカ・カナダ方面、ハワイ方面、オセアニア方面は航空会社のレジャー路線を中心とした減便、運休などの影響で座席供給量が減少したほか、ホテル客室供給量の不足でマイナスとなった。この結果、7月は1.3％増、8月は4.1％増、9月は8.2％減となった。なお、月別の予約状況、実績比は下記の通り。

▽各社の予約状況・前年比（方面／10月／11月／12月）
アメリカ・カナダ／19.2％減／28.1%減／21.7％減
ハワイ／11.5％減／10.5％減／17.7％減
グアム・サイパン／18.8％減／17.0％減／12.6％減
ヨーロッパ／12.9%増／12.1％増／19.1％増
オセアニア／1.5％減／4.2％減／17.4％減
アジア／3.3％減／2.3％減／23.2%減
中国／51.0％増／59.9％増／39.9％増
全方面計／2.8％減／1.7％減／12.3％減

▽7月〜9月の実績・前年比（方面／7月／8月／9月）
アメリカ・カナダ／9.5％減／9.1％減／19.5％減
ハワイ／9.6％減／11.5％減／15.0％減
グアム・サイパン／6.1％減／1.1％増／22.4％減
ヨーロッパ／3.2％減／8.1％増／2.7％増
オセアニア／7.9％減／9.4％減／9.5％減
アジア／4.0%増／12.3％増／5.4％減
中国／118.9％増／84.1％増／51.3％増
全方面計／1.3％増／4.1％増／8.2％減