国交省、成田国際空港並行滑走路北伸を許可、整備費約430億円、工事に約3年半

  • 2006年9月12日
 国土交通省は11日、成田国際空港会社が申請していた成田国際空港の平行滑走路の北伸に関する飛行場施設の変更許可証を交付した。この飛行場変更許可申請は、平行滑走路を北に320メートル伸ばして2500メートル化、延伸に伴う平行誘導路の延伸と東側誘導路の新設に加え、発着回数の増加への対応としてスポット数を増加するエプロン新設の3項目。工事は15日に着工式を開き、その後、国道51号線の付け替え工事に2年、滑走路、誘導路の工事に1年、完成後の検査などに5ヶ月とし、工事完成が2009年10月31日、供用開始は2010年3月31日を目指す。整備費は、予算上は北伸整備費として330億円としていたが、この中にはエプロンの工事費用が含まれていないため、NAAは整備費として430億円弱を見積もっている。

 NAA黒野社長は許可証の交付を受けて、「9月5日の4者協で住民の大半と市長の理解を頂いた。関係者に感謝を申し上げる」と語り、「2009年度内の完成を厳守する。(工期を)前倒しできるよう取り組んでいきたい。(延長するB滑走路は)運用中のため、夜間工事となり、安全に最大限の配慮をする。利用者が使い易い空港の整備を目指す」と工期の前倒しを目指し、取り組んでいく意向だ。また、5日の4社協議では現在の20万回の発着枠を供用開始時には22万回とすることで住民と合意。そのほか、許可証の交付の場において、「滑走路は2500メートル止まりとなるか」との問いに、NAA黒野社長は「じっくり、且つ、急いで考える」との発言に留めた。さらに、上場に関しては、今回の滑走路の北伸の問題などもあり2007年度はないとしたものの、2008年、2009年度に上場の有無を精査していく考えを改めて示した。