NAA、上場は今年度中に目処、敵対的買収や長期債務の着実な減少がポイント

  • 2006年5月19日
 成田国際空港(NAA)代表取締役社長の黒野匡彦氏は今後の株式上場について、今年度中には上場の時期について見通し出来るとの考えを示した。これは民営化当初、2007年度の上場を目指すとしていたが、平行滑走路が北伸することが決定したころを受け、上場時期の延期を示唆していたもの。


 上場までのポイントとして、敵対的買収への対処、長期債務が着実に減少する見通しが立つことが条件という。敵対的買収については、民営化時点では原則として国が持つ株式を全て市場に放出することを基本としていたが、現在の株式市場の動向も踏まえ、拒否権を持つ黄金株などを国が持つ可能性についても現時点で否定はしていない。ただし、これについて黒野氏は「日本が国家として空港戦略をどのように位置づけるかが重要」との考えを示し、NAAが決める問題ではないとの考えも語っている
 また、長期債務については、平行滑走路が北側延伸する北伸案が採用されたことにより、工事期間や費用が川婿ともあり、2009年に債務のピークを迎える。これ以降、「毎年300億円程度を着実に減らしていけるか、自信を持って見通し出来る必要がある」との考えで、これを判断するのは今年度中という見方だ。