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日韓の観光交流、今後も拡大基調に道筋、「近い将来は520万人」の目標

  • 2006年5月16日
 国土交通大臣・観光立国担当大臣の北側一雄氏と韓国文化観光部長官の金明坤(キム・ミョンゴン)氏が東京都内で会談、「2006日韓観光交流拡大共同事業に関する日本国国土交通・観光立国担当大臣と大韓民国文化観光部長官との共同声明」に署名した。この会談にあわせ、「2006日韓観光交流拡大の夕べ」を開催、昨年の日韓共同訪問年を契機とした観光交流の拡大への道筋をつけたかたちとなった。

 北側大臣は共同声明での重要ポイントとして、教育関係や青少年交流など、若年層の交流人口の拡大、地方自治体をサポートしながら姉妹都市交流の活発化、今後は520万人を目標とすることをあげた。ただし、520万人の目標については「近いうちの目標」と述べるに留め、目標年度は「金長官と話し合っているところ」と明言を避けたものの、今後の日韓双方の交流人口の拡大基調に確信を示した。

 金長官も交流人口の拡大には同様に高い期待を示している。今週から日本で開催される「コリアウィーク」、9月に韓国で開催される「日韓交流まつり」のそれぞれのイベンとをはじめとして盛り上げに意欲的だ。また、韓国内の経済団体で観光に関する特別委員会が設置されたことも紹介し、「民間が育てるものと連携し、重点を置いて活動していく」とコメントした。

 都内での会見では日韓の政治的にぎくしゃくする関係についても質問が出た。これに対し、北側大臣は、「政治的課題があるからこそ、交流を深めていくことが必要。観光交流は解決に当たり基礎となるもの」と語り、友好関係を発展させることに意義があるとの考え。金長官も同様に「近い間であればあるほど、コミュニケーションをとる必要があり、コミュニケーションの基礎が観光」と言及し、観光交流の拡大が政治的課題の解決に向けた前提として、政治レベルで一致を見ていることを強調している。


▽2006年日韓観光交流大賞を発表

 日本、韓国が昨年展開した日韓共同訪問の年で観光交流の拡大に特に功績のある人物に対し、国土交通大臣・観光立国担当大臣賞、韓国文化観光部長官賞などが表彰された。このうち、国土交通大臣・観光立国担当大臣賞には2004年3月に韓国修学旅行協会会長に就任した崔泰祥氏が成長する訪日修学旅行者数を理由に選定。韓国文化観光部長官賞にはジェイティービー代表取締役社長の佐々木隆氏が昨年のオープニングイベントの共同企画と、JTB独自のイベント「杜の賑わい」を開催して6600名を超える送客を実施したことをはじめ、需要の増進に寄与したとして表彰された。なお、その他の賞、および表彰者については下記のとおり。


▽国土交通大臣・観光立国担当大臣賞
崔泰祥(チェ・テサン)氏(韓国修学旅行協会会長)

▽国際観光振興機構理事長賞
趙誠夏(チョ・ソンハ)氏(東亜日報 旅行専門記者)
劉在祐(ユ・ジェウ)氏(ガイドブック「日本100倍楽しむ」著者)

▽韓国文化観光部長官賞
佐々木隆氏(ジェイティービー代表取締役社長)

▽韓国観光公社社長賞
隈元信一氏(朝日新聞論説委員)
丸山康晴氏(JR九州高速船代表取締役)