エジプト大使館、今回の事件を静観、シナイ半島南部での事件を受け

  • 2006年4月28日
 エジプト・シナイ半島南部のダハブでこのほど発生した連続爆発事件で、外務省がスポット情報を発出、注意を促している。今回の事件は現時点で明らかではないが、シナイ半島では2005年7月にもリゾート地シャルム・エル・シェイクで連続爆発事件が発生、多数の死傷者が出ていた。
 外務省は今後もテロが発生する可能性から旅行希望者へは、最新の関連情報の収集、テロの標的となる可能性が高い政府関連施設、主要欧米関連施設へ近づかないこと、外国人が多く集まるレストランや市場などの利用を避けること、特に人混みや深夜の外出を極力避けることなど行動範囲に関して呼び掛けた。
 エジプト日本国大使館は今回の事件を静観。現地のエジプト観光省はシァルム・エル・シェイクの事件時も、同様の姿勢を示していた。エジプト日本国大使館によると、今回事件の起きたダハブはダイビングスポットとして有名なものの、日本からはFITでほんのわずかの人数が行く程度という。このことから、大使館も外務省と同様の認識を示し、今回の事件に関して特に情報提供は行わない姿勢だ。

 現地のツアーオペレーターによると、現地では、観光スポットにはツーリストポリスや警察が巡回、旅行者の移動時には前後を警察が護衛として付き、パッケージ商品などグループ旅行時には事前に警察へ各人の身元を登録するなど、安全対策をとっている。
 現状は、シナイ半島へのツアーは造成しずらい状況。例えば、モーゼ山の麓の丘陵地帯に位置するセント・カトリーナはツアーで組み込むことが多いことから、当面は宿泊を避けて移動の際に立ち寄る形態をとるという。そのほか、シナイ半島での列車利用も避け、安全を最優先する対応を図っている。
 なお、ダハブはダイビング目的のイギリスからの観光客が多いという。近年は事件発生後の回復が早く、1年ほどで事件発生前に戻ることが多いという。