NAA、中期計画で2010年の旅客3480万人、安全・施設整備・収益拡大図る

  • 2006年3月24日
 成田国際空港(NAA)は2006年から2010年度の中期経営計画「Newステージ2010」をまとめた。NAAではこの期間を「飛躍に向けた基盤強化の期間」と位置づけ、2010年度には平行滑走路2500メートル化による能力の増強に備える。安全の徹底、利便性向上のための施設整備、収益拡大とコスト削減を平行して実施しながら、早期の上場を実現を目指す。2010年度にはグループ営業収益2000億円、単体営業利益380億円超、単体フリーキャッシュフローでは250億円超の黒字化を経営目標とする。

 NAAを取り巻く環境は経済状況が好転するものの、航空会社は機材のダウンサイジングをはじめイールド重視する中、空港の発着回数18.9万回で頭打ちのところ、2005年暦年ベースで18万8275回と限界に達している。ただ、航空旅客需要はビジネス、観光ともに堅調な推移と予測し、06年から09年度の旅客数を約3300万人と推計(2005年暦年ベース:3155万3068人)。2010年の能力増強後には発着回数19.3万回、航空旅客数3480万人と予測。

 こうした中で、安全面では全ての旅客ターミナルビルでインラインスクリーニング方式を採用を進める。能力増強については北側延伸を既に決定しているが、この平行滑走路の2500メートル化を実現し、2009年度までに供用を開始するほか、成田新高速鉄道の2010年4月の完成で東京都心とのアクセス利便の向上を図る。
 収益面では滑走路の延伸による航空収入の増加へとつなげるほか、商業施設の展開で非航空系収入の増大を図る。また、中期計画の5年間で本社社員を約150人減少するほか、価格交渉方式の改善、業務の合理化・効率化等でのコスト削減を進める。