鳥インフルエンザの対処は基礎予防が重要、業界向けセミナーで

  • 2006年2月14日
 AIU保険とトラベルビジョンは2月13日、東京で鳥インフルエンザ感染対策を考える旅行業界向けのセミナーを実施した。日本旅行医学会専務理事の篠塚規氏は、「鳥インフルエンザは1年中感染する可能性のあるもの。気候が変動する冬から春にかけて、体調を崩し、感染することが十分にあり得る」と注意を喚起。医学雑誌「ザ・ランセット」、「ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されている重要事項などから、中国、東南アジアを中心に拡がる鳥インフルエンザの予防策を解説した。
 篠塚氏は、トリから人への感染の防御策として、「現地で家禽類に接触しないこと、予防を心掛けること、高温での殺菌が大切」との対処を紹介。まずは、基礎体力や免疫力の強化、衛生的な環境作り、ウイルス対策のマスクの着用、手で目をこすり体内にウイルスが入ることがあることから眼鏡やゴーグルの着用、手袋の着用を勧めた。

 また、東京大学医科学研究所ウイルス感染分野助教授の堀本泰介氏は、WHOが発表した勧告を基に、鳥インフルエンザの感染の流れ、症状について紹介した。初期症状に関しては普通のインフルエンザと同様、発熱や鼻づまり、喉の痛み、頭痛、倦怠感など。39度以上の熱が続き、吐き気や腹痛、下痢などを併発することもあるという。潜伏期間は5日間前後で、場合によっては2週間。タミフルは2日以内に投与しないと効果がないことから、「我慢する人ほど手遅れになる」と堀本氏は説明。鶏肉は70度以上で加熱し、鳥インフルエンザの感染の可能性を低くする対処を紹介した。